重度障害者の就労支援特別事業とは? 再度の仕組みを解説【2026年】

2026年8月13日更新|福祉ニュース
厚生労働省の公表資料によると、 「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」は、 2026年3月31日時点で109自治体が協議し、 そのうち85自治体で利用実績がありました。 利用者は全国で364人です。

この制度が必要になる背景には、 通常の重度訪問介護、同行援護、行動援護では、 通勤などの経済活動に係る外出が原則として給付対象から除かれているという 制度上の境界があります。

この記事では、 仕事中や通勤に重度訪問介護等の支援をどう組み合わせるのか、 JEEDの助成金と市区町村の役割、対象者、実際の介助内容、申請の流れ、 自営業の場合、合理的配慮との違いまで、 厚生労働省・JEEDの一次資料から整理します。
この記事のポイント
POINT 01 2026年3月末時点で 実績あり85自治体・利用者364人
POINT 02 通勤・職場介助は 雇用施策と福祉施策を組み合わせて支える
POINT 03 仕事の介助と生活上の介助では 費用を支える仕組みが異なる
POINT 04 2026年7月から民間企業の 法定雇用率は2.7%

01 重度障害者の通勤・職場介助、全国85自治体で364人が利用

厚生労働省が公表している 「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」の自治体別資料では、 2026年3月31日時点で 協議自治体数は109自治体です。

このうち、 利用実績がある自治体は85自治体、利用者は364人 となっています。

協議自治体数 109 2026年3月31日時点
利用実績あり 85 自治体
利用者総数 364人 雇用+自営等
働き方の内訳 187+177 雇用187人/自営等177人

利用者364人を支援種別で見ると、 重度訪問介護の利用者が207人、 同行援護が153人、 行動援護が4人でした。

支援種別 利用者数
重度訪問介護 207人
同行援護 153人
行動援護 4人
109自治体=109自治体で利用実績がある、ではありません 109は厚生労働省資料上の「協議自治体数」です。 実際に利用実績が確認されているのは85自治体です。 制度整備と実際の利用は分けて見る必要があります。

02 「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」とは?

この制度は、 重度障害者等の通勤や職場で必要となる支援を、 雇用施策と福祉施策が連携して支える仕組み です。

2020年10月から実施されています。

民間企業に雇用されて働く場合には、 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構、 いわゆるJEEDの助成金と、 本人が居住する市区町村の特別事業を組み合わせます。

また、自営業者等については、 市区町村が必要と認める場合に、 重度訪問介護等の事業者を通じて 通勤や職場等の支援を行う仕組みがあります。

雇用施策と福祉施策を組み合わせる
雇用施策

JEEDの助成金

企業が重度訪問介護等の事業者へ 職場介助や通勤援助を委託した場合に、 一定の費用を助成します。

福祉施策

市区町村の特別事業

JEEDの助成対象にならない生活上の支援や、 4か月目以降の通勤支援、 自営業者等への支援などを担います。

特別事業の実施主体は市区町村で、 国の補助率は2分の1、 都道府県4分の1、 市区町村4分の1とされています。

重要なのは「一つの制度ですべて支える」仕組みではないこと 重度障害のある人の就労を、 雇用制度と障害福祉制度の双方から支える設計になっています。 そのため、利用時には本人、企業、市区町村、JEED、 障害福祉サービス事業者など複数の関係者による調整が必要になります。

03 なぜ仕事中・通勤に通常の重度訪問介護だけでは対応できない?

この制度を理解するうえで最も重要なのが、 通常の障害福祉サービスと就労場面の関係です。

厚生労働省が示す訪問系サービスの取扱いでは、 重度訪問介護、同行援護、行動援護について、 「通勤、営業活動等の経済活動に係る外出」は 通常の外出支援の対象から除かれています。

暮らしと仕事の間にある制度上の境界
自宅・地域での生活 通常の重度訪問介護・同行援護・行動援護等
通勤・経済活動という制度上の境界
通勤・職場で働く JEEDの助成金 + 市区町村の特別事業

しかし、人の身体や生活上の支援ニーズは、 自宅から職場へ移動したからといって消えるわけではありません。

自宅で排泄介助、姿勢調整、喀痰吸引などが必要な人が、 仕事中だけそれらを必要としなくなるわけではありません。

そこで、 通勤・職場という場面で必要となる介助を 雇用施策と福祉施策の連携によって補う仕組みが設けられています。

「重度訪問介護は仕事中に絶対に使えない」と単純化しない 通常の障害福祉サービス給付としての利用と、 この特別事業を通じて重度訪問介護等の事業者から支援を受けることは 制度上の仕組みが異なります。 この記事では両者を区別して説明しています。

04 誰が対象になる? 雇用されて働く場合と自営業では仕組みが違う

市区町村の特別事業は、 重度訪問介護、同行援護、行動援護 の利用者を対象とする仕組みです。

ただし、 「重度障害者であれば誰でも自動的に利用できる」 という制度ではありません。

企業に雇用されて働く場合

JEEDの2026年度案内では、 職場介助・通勤援助助成金の対象者について、 重度訪問介護、同行援護または行動援護の支給決定を受けていることに加え、 障害や雇用に関する一定の要件が設けられています。

雇用面では、 原則として週所定労働時間10時間以上の常時雇用労働者が対象で、 10時間未満の場合でも年度内に10時間以上を目指す人は 対象となる場合があります。 在宅勤務も対象になり得ます。

自営業者等の場合

自営業者には、 企業を対象とするJEEDの助成金を利用する構造はありません。

市区町村が、 自営等への従事によって所得向上が見込まれるなど 所定の要件を満たすと認めた場合に、 特別事業による支援を受けられる仕組みがあります。

最終的な利用要件は自治体・JEEDへ確認を 障害福祉サービスの支給決定だけで利用可否が決まるわけではありません。 働き方、労働時間、自治体の実施要綱などによって判断が異なります。

05 仕事中にどんな介助を受けられる? 「業務支援」と「生活支援」

この制度を分かりやすく理解するためには、 職場で必要になる支援を 「仕事をするための支援」と「身体・生活を支える介助」 に分けて考えると整理しやすくなります。

職場で必要になる支援を整理
JEED助成対象の例

業務を遂行するための介助

  • パソコン等の準備・調整・操作補助
  • 書類のページめくり
  • 文字盤等の読み取り
  • 代読・代筆
  • 書類等の整理
  • 業務上の移動・外出への付き添い
JEED助成対象外の例

身体・生活を維持するための介助

  • 食事
  • 給水
  • トイレ介助
  • 姿勢の調整
  • 喀痰吸引
  • 見守り・待機

JEEDは、 本人が主体的に業務を遂行するために必要な職場介助を 助成対象としています。

一方、 食事、給水、トイレ、姿勢調整、喀痰吸引、 見守り・待機などは JEEDの職場介助助成金の対象ではありません。

こうした部分について、 市区町村の特別事業による支援を組み合わせることになります。

「JEED対象外=必ず自治体事業で給付される」という意味ではありません 市区町村の特別事業で具体的にどこまで支援対象とするかは、 本人が居住する自治体の障害福祉担当部署への確認が必要です。

JEEDの職場介助助成金

企業規模 助成率 月額上限
中小企業以外 5分の4 13万3千円
中小企業 10分の9 15万円

支給期間は、 特別事業の利用決定以降、 委託による支援を開始した日から当該年度末までです。

06 通勤支援は「1~3か月」と「4か月目以降」で仕組みが変わる

民間企業に雇用されている人の通勤支援では、 時期によって費用を支える制度が変わります。

通勤援助の基本的な流れ
1~3か月目 JEED 通勤援助助成金 企業がサービス事業者へ委託し、 その費用の一部をJEEDが助成
4か月目~ 市区町村の特別事業 市区町村の事業によって 通勤支援を継続
企業規模 JEED助成率 月額上限 支給期間
中小企業以外 5分の4 7万4千円 原則3か月
中小企業 10分の9 8万4千円 原則3か月

JEEDの2026年度案内では、 通勤援助助成金の対象となる通勤は 公共交通機関を利用する通勤とされ、 タクシー・介護タクシーは この助成金上の公共交通機関には含まれません。

年度末をまたぐ場合にも注意 JEEDの通勤援助助成金は、 委託による支援開始から3か月間が基本ですが、 年度末を超える場合はその年度の3月31日までとなります。 実際の支援開始時期は事前に確認してください。

07 利用したいときはどうする? 相談・申請の流れ

企業に雇用されて働く場合、 本人だけ、企業だけで手続きが完結する制度ではありません。

JEEDの案内では、 本人、企業、市区町村、サービス事業者等で 支援内容を調整し、支援計画書を作成する流れが示されています。

1 居住自治体へ相談

特別事業を実施しているか確認します。

2 必要な支援を整理

本人・企業・自治体等で職場や通勤の介助内容を確認します。

3 支援計画書を作成

関係者で支援計画書を作り、自治体が確認します。

4 JEED・自治体手続き

JEEDの確認後、本人は自治体へ特別事業の利用申請を行います。

5 支援開始

利用決定後、サービス事業者による支援を開始します。

就労を支えるのは一つの機関だけではない
本人
企業
市区町村
JEED
障害福祉サービス事業者

JEEDは、 支援計画書を 委託による支援開始のおおむね1か月前 に提出するよう案内しています。

手続きの詳細や必要書類は個別のケースによって異なるため、 まずは本人が居住する市区町村の障害福祉担当部署へ 早めに相談することが重要です。

08 109自治体と85自治体から見える「制度がある」と「使える」の違い

2026年3月末時点で協議自治体は109自治体ですが、 利用実績があるのは85自治体です。

単純計算では、 24自治体については公表資料上、 この時点で利用実績がありません。

ただし、 利用者が0人だからといって 「支援が不十分な自治体」と評価することはできません。

人口規模、対象となる人の人数、 就労希望、企業の状況、 制度の周知、 利用できる障害福祉サービス事業者の確保など、 地域によって条件が大きく異なるためです。

制度整備だけでは、支援は本人へ届かない 制度が存在すること。 本人がその制度を知っていること。 企業が制度を理解していること。 必要な介助者を確保できること。 実際に申請して利用できること。

これらはそれぞれ別の段階です。

自分の自治体で制度が見つからない場合

まずは居住する市区町村の障害福祉担当部署へ、 「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」 の実施状況を確認します。

厚生労働省の事例には、 障害のある本人や相談支援専門員、 就労先企業などから自治体へ相談があり、 その後に自治体が制度を整備した例もあります。

相談すれば必ず制度が新設される、という意味ではありません 自治体の制度設計や予算、地域の支援体制等によって判断は異なります。 ただし、地域にどのような就労支援ニーズがあるのかを自治体が把握するうえで、 本人や支援者からの相談が一つの契機になる場合があります。

09 実際にはどう働いている? 厚労省が公表する4つの支援事例

制度名だけでは、 「職場で介助を受ける」とはどのようなことなのか イメージしにくいかもしれません。

厚生労働省が公表している事例から、 支援の実際を見てみます。

さいたま市|在宅勤務

排泄・水分・喀痰吸引・体位調整

重度の身体障害があり、 自宅でパソコンを使った経理・労務関連業務等を行う事例です。

排泄介助、水分補給、喀痰吸引、 体位調整、見守りなどの支援が組まれています。

在宅勤務でも支援対象になり得ることが分かる事例
江戸川区|職場勤務

同僚によるトイレ介助から支援事業者へ

脳性麻痺のある人が、 社会福祉法人でWEB管理・広報事務に従事する事例です。

特にトイレ介助が課題となっており、 それまで職場の同僚が担っていた介助を 支援事業者へ依頼する形へ移行しています。

本人だけでなく、同僚が本来業務へ集中する環境にもつながる
境港市|通勤+職場

通勤助成終了後の支援を市へ接続

脊髄性筋萎縮症のある人が、 週5日・1日6時間、相談支援業務に従事する事例です。

JEEDの助成による通勤支援の対象期間終了後について 企業から市へ相談し、 特別事業の利用につながりました。

見守り、排泄介助、水分補給などが行われています。

雇用施策から福祉施策へ支援をつなぐ構造が見える事例
南風原町|自営業

視覚障害のある鍼灸師へ代読・代筆

視覚障害のある自営業者が 鍼灸マッサージ業を営む事例です。

資料作成や療養費請求業務に通常の同行援護を利用できなかったため、 特別事業による代読・代筆を利用しています。

厚労省資料では、 請求書作成等が可能になり、 業務効率や対応できる案件が増えたと紹介されています。

雇用労働者だけでなく、自営業という働き方も支援対象になり得る
※上記は厚生労働省が公表した支援事例を要約したものです。 現在の利用状況を示すものではなく、個別ケースで利用できる支援内容を保証するものでもありません。

10 「合理的配慮」と重度障害者の就労支援制度は何が違う?

障害者雇用を考えるとき、 もう一つ重要な制度が 合理的配慮です。

障害者雇用促進法では、 雇用分野において、 障害のある労働者が能力を発揮するうえで支障となっている事情を改善するため、 事業主に合理的配慮を提供することが義務付けられています。

ただし、 事業主に過重な負担を及ぼす場合は除かれ、 具体的な配慮は本人との話し合いや職場の状況等を踏まえて検討されます。

企業の法的な枠組み

合理的配慮

障害によって生じる職場上の支障を改善するため、 本人との話し合い等を踏まえて企業が必要な措置を検討します。

例として、 勤務時間の調整、 作業環境の変更、 情報提供方法の変更などがあります。

人的支援を支える制度

JEED+市区町村の特別事業

通勤援助や職場介助など、 重度障害のある人が働くうえで必要となる 具体的な人的支援を支える仕組みです。

企業・自治体・JEED・障害福祉サービス事業者等が連携します。

どちらか一方ではなく、組み合わせて働く環境をつくる たとえば勤務時間や在宅勤務などを企業が調整し、 身体介助について特別事業を利用するというように、 企業による職場環境の調整と外部の人的支援を組み合わせることが考えられます。

合理的配慮に関する相談は全国で631件

厚生労働省によると、 2025年度にハローワークへ寄せられた 障害者差別・合理的配慮の提供に関する相談は 631件で、 前年度比44.1%増でした。

631件=631件の法違反、ではありません これはハローワークへ寄せられた 障害者差別・合理的配慮に関する「相談件数」です。 重度障害者だけの件数でもありません。

11 法定雇用率2.7%時代に「採用後の支援」をどう考えるか

2026年7月1日から、 民間企業の障害者法定雇用率は 2.5%から2.7%へ引き上げられました。

あわせて、 障害者雇用状況報告等の対象となる民間企業の範囲も 常用労働者40.0人以上から 37.5人以上へ広がっています。

2.7% 2026年7月からの
民間企業法定雇用率
70万4,610.0人 2025年6月1日時点の
民間企業の雇用障害者数
46.0% 2025年の
法定雇用率達成企業割合

2025年の障害者雇用状況では、 民間企業の雇用障害者数は過去最高を更新し、 実雇用率は2.41%でした。

障害者雇用を進めるうえで、 「何人雇用したか」だけではなく、 採用した人が必要な支援を受けながら働き続けられる環境をどうつくるか という視点も重要になります。

70万4,610.0人と特別事業の364人を単純比較しない 「雇用障害者数」は障害者雇用率制度上の集計値です。 一方、364人はこの特別事業の利用者数で、 対象となる母集団も制度も異なります。 「障害者雇用者のうち364人しか支援されていない」といった比較はできません。

12 2027年度に制度は変わる? 通勤・職場内への訪問系サービス拡大を求める意見

2027年度の障害福祉サービス等報酬改定に向けた議論も始まっています。

現時点では「提案段階」

訪問系サービスを通勤中・職場内でも利用できるよう求める意見

2026年6月15日の厚生労働省 「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の関係団体ヒアリングで、 公益社団法人全国脊髄損傷者連合会は、 訪問系サービスの対象場面に 通勤中、職場内、通学中、学校内 を追加するよう提案しました。

提案では、 重度訪問介護、同行援護、行動援護を 従来の支給決定時間数の範囲内で 通勤・職場等でも利用できるよう制度を見直すことが求められています。

2027年度から変更されると決まったわけではありません これは報酬改定に向けた関係団体からの意見・提案です。 2026年8月13日時点で、 「重度訪問介護が2027年度から通常給付として職場や通勤で利用可能になる」 という決定は確認できません。

今後、 この論点が2027年度の障害福祉サービス等報酬改定で どのように扱われるかは確認が必要です。

13 福祉教育ラボの視点

福祉教育ラボの視点

「働けるか」を、本人の能力だけで決めない

就職できる
通勤できる
働ける
働き続けられる

障害のある人の就労支援は、 就職先を見つけるだけでは完結しません。

通勤できること。 仕事中に必要な身体介助を受けられること。 本人が業務に集中できること。 同僚が介助を抱え込まず、本来の仕事に取り組めること。 そして、その状態を継続できること。

これらが組み合わさって、 初めて「働き続ける」という選択が現実になります。

ここで見えてくるのは、 人の身体や生活は、制度の境界では分かれない ということです。

自宅で喀痰吸引が必要な人が、 職場の玄関を通った瞬間に喀痰吸引を必要としなくなるわけではありません。

自宅で姿勢調整や排泄介助を必要とする人が、 仕事中だけその身体から離れられるわけでもありません。

一方、制度は 「生活を支える福祉」と 「働くことを支える雇用」 に分かれています。

この特別事業は、 その境界を雇用施策と福祉施策の連携によって つなごうとする仕組みです。

働けるかどうかを 本人の身体機能や能力だけに帰属させるのではなく、 介助、職場環境、合理的配慮、制度、地域資源をどう組み合わせるか という視点から考える。

それは、 障害のある人の就労を 「本人が職場に適応できるか」という問いだけではなく、 「働ける環境を社会側がどうつくるか」という問いへ広げることでもあります。

14 重度障害者の通勤・職場介助についてのよくある質問

Q1.重度訪問介護を使って、そのまま会社へ通勤できますか?

通常の障害福祉サービスとしての重度訪問介護では、 通勤など経済活動に係る外出は原則として対象外です。 一方、市区町村の特別事業とJEEDの助成金を組み合わせて、 通勤支援を受けられる場合があります。

Q2.仕事中のトイレ介助や喀痰吸引もJEEDが助成しますか?

JEEDの職場介助助成金では、 食事、給水、トイレ、姿勢調整、喀痰吸引、 見守り・待機などは助成対象外です。 これらについては市区町村の特別事業の支援対象となり得ますが、 具体的な範囲は自治体へ確認する必要があります。

Q3.自営業でも利用できますか?

対象となる場合があります。 厚生労働省の事例では、 視覚障害のある自営業の鍼灸師が 代読・代筆の支援を利用したケースが紹介されています。 実際の利用要件は居住自治体へ確認してください。

Q4.在宅勤務でも対象になりますか?

JEEDの2026年度案内では、 在宅勤務者も職場介助助成金等の対象になり得るとされています。 厚生労働省の支援事例にも、 在宅勤務中に排泄介助、水分補給、 喀痰吸引、体位調整、見守り等を受けるケースがあります。

Q5.どこの市区町村でも利用できますか?

いいえ。 市区町村が特別事業を実施していることが重要です。 JEEDの連携型助成金も、 本人が居住する市町村等で特別事業が実施されていることを前提としています。 まず居住自治体の障害福祉担当部署へ確認してください。

Q6.企業の合理的配慮があれば、この制度は必要ありませんか?

一概にはいえません。 合理的配慮と、 JEED・市区町村による通勤・職場介助の仕組みは別の制度です。 勤務時間や働き方などの職場環境の調整と、 必要な人的介助を組み合わせることがあります。

Q7.自分の自治体で制度がない場合、相談しても意味はありませんか?

厚生労働省の自治体事例には、 本人、相談支援専門員、企業などからの相談を契機に 自治体が制度を整備したケースがあります。 ただし、相談によって制度新設が保証されるわけではありません。 まずは地域の障害福祉担当部署や相談支援専門員等へ 就労上の具体的なニーズを相談することが考えられます。

まとめ|「雇う」から「働き続けられる」までを支える

2026年3月31日時点で、 「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」は 109自治体が協議し、 85自治体で364人の利用実績が確認されています。

この制度の背景には、 通常の重度訪問介護、同行援護、行動援護では 通勤等の経済活動に係る外出が原則として対象外となる 制度上の境界があります。

そこで、 仕事を遂行するための職場介助や当初の通勤支援についてはJEED、 生活上必要な介助や4か月目以降の通勤等については 市区町村の特別事業を組み合わせる仕組みが設けられています。

2026年7月には民間企業の法定雇用率が2.7%へ引き上げられました。

障害者雇用を進めるとき、 採用人数だけではなく、 本人が必要な支援を受けながら 働き続けられる環境をどうつくるか という視点が、より重要になっています。

本人の「できる・できない」だけで働く可能性を決めない 必要な介助がある。 職場の配慮がある。 支援制度がある。 地域にサービス事業者がいる。

そうした環境が組み合わさることで、 これまで難しかった「働く」という選択が可能になることがあります。

一次資料・公的資料

本記事は2026年8月13日時点で公表されている厚生労働省・JEED等の資料をもとに整理しています。 特別事業の実施状況、利用要件、利用者負担、対象となる支援内容、 助成金の要件等は自治体や個別ケースによって異なる場合があります。 実際の利用にあたっては、本人が居住する市区町村の障害福祉担当部署、 JEEDの都道府県支部、相談支援専門員、勤務先等へご確認ください。