就労継続支援A型はどうなる?|雇用率・助成金と「雇用と福祉」中間とりまとめ案

【審議中】

厚生労働省は2026年9月7日、第6回「障害者就労に係る雇用福祉横断検討会」を開催し、 「雇用と福祉の果たすべき機能・役割と連携の基本的考え方」の 中間とりまとめ案を議論しました。

今回問われているのは、 「一般就労と福祉は、それぞれどのような役割を担うのか」という根本的な問題です。 障害者雇用が大きく広がった一方で、 就労系障害福祉サービスを必要とする人も増えています。

本記事では、A型と一般就労の関係、障害者雇用促進制度、 事業所の経営構造、本人の希望、地域差まで含め、 今回の議論が何を問い直そうとしているのかを整理します。

この記事を読む前に|制度変更が決まったわけではありません

今回示されているのは「中間とりまとめ案」です。 A型やB型の制度変更、A型の雇用率算定からの除外、 助成金・報奨金の見直しなどが決定したわけではありません。

また、参考資料に掲載されている個別案には、 検討会の構成員から出された意見も含まれています。 本記事では、 「中間とりまとめ案で整理されたこと」 「構成員から出された意見」 「まだ決まっていないこと」 を分けて紹介します。

2026年9月11日確認: 厚生労働省の開催一覧で確認できる最新回は、 2026年9月7日の第6回です。 議題は「中間とりまとめ案について」で、 確認時点では第6回の議事録はまだ掲載されていません。

最初に結論|「福祉から一般就労へ移せばよい」という話ではない

中間とりまとめ案では、 一般就労が可能な状態にある人には一般就労における雇用機会を設け、 一般就労が困難な人には、 福祉によって一般就労への移行を支援したり、 就労の場を設けたりするという基本的な役割が整理されています。

この部分だけを見ると、 「一般就労できる人をA型やB型から一般企業へ移していく議論なのではないか」 と感じるかもしれません。

しかし、今回の資料では、 一般就労が実現するかどうかは 本人の能力だけで決まるものではない ことも明記されています。

今回の議論を見るときのポイント

本人の能力や希望だけでなく、 仕事内容との相性、企業側の環境、合理的配慮、 地域に存在する雇用機会、 さらに福祉事業所に課されている制度・経営上の条件まで含めて考える必要があります。

問われているのは、 「誰を福祉から雇用へ移すのか」だけではありません。 本人がその時々の状態や希望に応じて働き方を選び、 必要になれば選び直せる仕組みをどうつくるのか、という問題です。

なぜ今、「雇用と福祉」を整理し直すのか

今回の検討会には、その前段となる議論があります。

厚生労働省は2026年2月、 「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」の報告書を公表しました。

この報告書では、 障害者雇用の「質」をどう高めるのか、 障害者雇用率制度をどう考えるのかという課題とともに、 就労継続支援A型事業所やその利用者を 障害者雇用制度の中でどう位置づけるのかも論点として整理されました。

詳細は 厚生労働省「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会の報告書」 で確認できます。

こうした経緯を踏まえ、 雇用政策だけ、福祉政策だけでは整理できない課題について、 雇用と福祉を横断して検討しているのが今回の検討会です。

今回の議論は「A型だけ」の問題ではない

一般企業で働くこと。 福祉サービスを利用しながら働くこと。 福祉から一般就労へ移ること。 一般就労から再び支援につながること。

こうした「働くことを支える仕組み全体」を、 社会の変化に合わせてどう組み直すのかが議論されています。

数字で見る|障害者就労を取り巻く環境は大きく変わった

約27万人 → 約70.5万人 法定雇用率が適用される民間企業で働く障害者。2005年から2025年への変化。 ただし制度対象の企業規模などが異なるため単純比較には注意が必要です。
7,717人 → 28,943人 就労系障害福祉サービスから一般就労へ移行した人。 2012年から2024年への変化です。
約8割 障害者雇用納付金制度の財源による報奨金のうち、 A型事業所が占める割合として中間とりまとめ案に示された数字です。
約3割 特定求職者雇用開発助成金について、 A型事業所が占める割合として示された数字です。

障害者雇用は、この20年間で大きく広がった

厚生労働省の資料では、 法定雇用率が適用される民間企業で働く障害者について、 2005年は約27万人、2025年は約70.5万人と整理されています。

ただし、 この数字を単純に「約2.6倍になった」と読むことには注意が必要です。

2005年と2025年では、 法定雇用率制度の対象となる企業規模が異なります。 また、その間に精神障害者が法定雇用率の算定基礎に加わるなど、 制度自体も変化しています。

それでも、この20年間で 障害者の一般就労の場が大きく広がってきたことは確かです。

「一般企業で働く」の形も変わった

働く時間も変化しています。

かつては週30時間以上の勤務が中心でしたが、 現在では一定の短時間労働についても 障害者雇用率制度の算定対象となっています。

近年では、週30時間未満で働く障害者も 2~4割程度を占めています。

「一般企業で働くことができる人」の範囲自体が、 制度創設当時とは変わってきているのです。

数字を見るときの注意

27万人と70.5万人では、 法定雇用率制度の対象企業など比較条件も変わっています。 「20年間で単純に2.6倍」とだけ捉えず、 制度対象の拡大も含めて一般就労の場が広がってきた数字として読む必要があります。

福祉から一般就労へ移る人も増えている

就労系障害福祉サービスから一般就労へ移行する人も増えています。

2012年は7,717人でしたが、 2024年には28,943人となりました。

  • 就労移行支援:16,827人
  • 就労継続支援A型:5,998人
  • 就労継続支援B型:6,118人

中間とりまとめ案では、 障害者の一般就労が広がった背景には、 企業側の取組だけではなく、 就労系障害福祉サービス事業所や 障害者就業・生活支援センターなどによる支援も寄与してきたと整理されています。

つまり、 「雇用」と「福祉」は、 どちらか一方を選べばもう一方が不要になる関係ではありません。

福祉による支援の積み重ねが、 一般就労の拡大にもつながってきました。

一般就労が広がっても、福祉を必要とする人は減っていない

では、一般就労が広がれば、 就労系障害福祉サービスの利用者は減っていくのでしょうか。

実際には、そうなっていません。

直近5年間では、 B型を中心に就労系障害福祉サービスの利用者数は増加しています。

その背景には、 精神障害のある人の利用増加や、 利用者の高齢化・重度化などがあります。

A型やB型では、 精神障害のある人がおおむね半数を占めるようになり、 その割合も増加しています。

また、障害福祉サービス全体で見ると、 精神障害者の利用者数は2007年11月の4.0万人から、 2026年3月には40.0万人となっています。

※4.0万人→40.0万人は障害福祉サービス全体の利用者数であり、 就労系サービスだけの数字ではありません。

一般就労が増えれば、福祉が不要になるわけではない

一般就労の場が広がる一方で、 「働きたい」「社会とつながりたい」というニーズを持つ人の範囲も広がっています。

雇用の拡大と福祉的な就労支援の必要性は、 単純な反比例の関係ではありません。

なぜA型が大きな論点になっているのか

今回の議論で特に注目されているのが、 就労継続支援A型です。

A型は、 通常の事業所で働くことは困難であるものの、 適切な支援があれば雇用契約に基づいて働くことができる人に対して、 雇用契約による就労機会を提供する障害福祉サービスです。

しかし、一般企業の障害者雇用が拡大し、 短時間勤務など働き方も多様になりました。

その結果、中間とりまとめ案では、 A型の制度上の利用者像に該当する人の範囲が、 障害者自立支援法制定当時より 「狭まってきている」と整理されています。

さらに、A型と一般就労では、 本人に支払われる賃金額そのものに 大きな差がない場合があることも指摘されています。

本人からすると、 「一般就労へ移ることで何が変わるのか」 「挑戦するメリットは何なのか」 が見えにくいケースもあります。

そして、地域によっては、 そもそも一般就労の場自体が十分に存在しません。

「一般就労へ送り出す」と「事業を安定させる」の間にある構造

今回の資料は、 本人側だけでなく、事業所側の構造にも踏み込んでいます。

就労継続支援事業所は、 福祉サービスを提供するだけでなく、生産活動も行います。

制度上、生産活動収支の黒字化や、 賃金・工賃の向上も求められています。

中間とりまとめ案では、 こうした制度構造から、 事業所が安定した生産活動を続けるために 「生産活動能力の高い障害者を確保せざるを得ない場合がある」 と整理されています。

現場では、二つの方向が同時に求められる

一般就労できる力を身につけた人には、 本人の希望に応じて一般企業への移行を支援したい。

一方、その人が事業所の生産活動でも重要な役割を担っている場合、 移行によって生産活動や経営に影響が生じる可能性があります。

B型についても、 平均工賃月額による評価の仕組みが、 能力の高い利用者を事業所に留める方向に働く可能性があるのではないか、 という構成員意見が出されています。

これは、 「事業所が利用者を囲い込んでいる」 と単純化できる問題ではありません。

一般就労への移行を促す政策と、 生産活動や工賃向上を求める制度設計が、 現場では緊張関係をつくる場合があります。

A型に障害者雇用促進制度をどこまで適用するのか

さらに今回、大きな論点となっているのが、 A型と障害者雇用促進制度との関係です。

中間とりまとめ案では、 障害者雇用納付金制度の財源による「報奨金」の約8割、 特定求職者雇用開発助成金の約3割が A型事業所に集中している現状が示されています。

A型は、 障害のある人を雇用すること自体がサービスの前提です。

そのA型に、 一般企業の障害者雇用を促進することを目的とした制度を どこまで適用することが適切なのか。

ここが議論されています。

「見直すべき」という意見

第6回検討会の 参考資料2「個別施策に関する構成員からのこれまでの御意見」 には、これまでに出された意見として、 次のような案が掲載されています。

  • A型を障害者雇用率の算定対象から外すべきではないか
  • 報奨金・調整金の対象人数について、1人を0.5人として扱う方法も考えられるのではないか
  • 特定求職者雇用開発助成金の適用を見直すべきではないか

一方で、「除外すべきではない」という意見もある

  • A型利用者も雇用契約を結んでおり、雇用率制度から除外すべきではない
  • 地方ではA型が貴重な雇用の場となっている
  • A型事業所も雇用保険料を負担しており、助成金から一律に外すことは難しい
ここは「国の決定」ではありません

上記は、参考資料に整理された構成員の意見です。 A型を雇用率制度から除外することや、 助成金・報奨金を変更することが決定したわけではありません。

現在は、 「A型への障害者雇用促進制度の適用をどう考えるのか」 そのものが論点となっている段階です。

「A型は縮小される」と単純には読めない

A型をめぐる議論だけを見ると、 「国はA型を縮小しようとしているのではないか」 と感じる人もいるかもしれません。

しかし参考資料には、 A型がこれまで果たしてきた役割についても 複数の意見が掲載されています。

  • 地方における貴重な雇用機会となっている
  • 一般就労で離職や転職を繰り返した人の受け皿となっている
  • 一般就労で自信を失った人が、再び働く経験を積む場となっている
  • 社会参加の場として機能している

一方で、 その「受け皿」を本人の最終地点として固定するのではなく、 一般就労を希望するようになった場合には、 次の働き方へ橋渡しできる機能も必要だという意見があります。

問われているのは「A型は必要か、不要か」ではない

A型だからこそ担える役割とは何か。 一般就労との違いをどこに置くのか。 地方の雇用機会をどう確保するのか。

そして、一般就労への移行支援と 事業所の安定した運営をどう両立させるのか。 制度そのものの設計が問われています。

では、「一般就労できるか」を誰が決めるのか

A型と一般就労の境界を考えると、 次の問いが生まれます。

「この人は一般就労できる」

それを誰が、どのように判断するのでしょうか。

中間とりまとめ案では、 本人の希望や状態像を踏まえた丁寧なアセスメントを行い、 地域の実情なども含めて支援方針を考えることが示されています。

さらに今後、 アセスメントについて、 標準化、客観性の向上、中立・公正性の確保なども含めて 機能や実施方法を検討する必要があるとしています。

ただし、ここでも重要なのは、 一般就労が実現するかどうかは 本人の能力だけでは決まらないという点です。

  • 本人の能力や適性と、仕事内容が合っているか
  • 企業側が必要な合理的配慮を行えるか
  • 地域に適切な雇用機会があるか
  • 本人がどのような働き方を希望しているか
  • 必要な支援機関や専門職につながれるか

単純な点数によって、 「一般就労」「A型」「B型」と 人を振り分ければ済む問題ではありません。

「選ぶ」仕組みは、就労選択支援ともつながっている

こうしたアセスメントと 「本人が選ぶ」という考え方は、 すでに始まっている就労選択支援ともつながっています。

就労選択支援は、 本人との協同によるアセスメントや情報提供などを通して、 本人自身が自分の働き方を考えることを支える制度です。

ただし、この記事では、 就労選択支援そのものの制度解説には踏み込みません。

今回注目したいのは、 就労選択支援という一つの制度だけではなく、 「一度決めた働き方を固定しない」という考え方が、 雇用と福祉全体の議論にもつながっていることです。

「本人の希望」をどう捉えるのか

中間とりまとめ案には、 福祉教育ラボとして慎重に読みたい表現があります。

本人の「希望」についてです。

資料では、 本人が発言した内容だけをそのまま希望として捉えるのではなく、 就職先や自分自身に対する不安に寄り添い、 十分な情報提供やエンパワーメントを行ったうえで、 丁寧なアセスメントによって 本人の「本当の意思やニーズ」を引き出す支援が必要だとしています。

「本当の意思」を支援者が決めてはいけない

この表現を、 「本人が言っていることより、支援者の判断の方が正しい」 と読むべきではありません。

支援者が本人の意思を読み替えたり、 本人に代わって「本当の希望」を決めたりすれば、 本人主体とは反対方向へ進んでしまいます。

たとえば本人が、 「一般企業では働きたくありません」 と話したとします。

その背景には、 以前の職場でつらい経験をしたことがあるかもしれません。

どのような仕事があるのか知らないのかもしれません。

失敗することが怖いのかもしれません。

必要な合理的配慮を受けられるなら、 挑戦してみたいと思うかもしれません。

一方で、十分な情報を得たうえで、 現在の福祉的就労を本人自身が望んでいるのかもしれません。

支援者がすることは「答えを決めること」ではない

本人が選択できる情報を増やす。 経験する機会をつくる。 不安や必要な配慮を一緒に整理する。

そのうえで、本人自身が自分の働き方を選べる条件を整えることが重要です。

本人だけではなく、「地域」も見なければならない

今回の中間とりまとめ案では、 地域差も重要な課題として示されています。

地域によっては、 十分な一般就労の場がありません。

人口減少が進む地域では、 就労移行支援を中心に 事業所数が減っている地域もあります。

本人には働く力がある。

本人も一般就労を希望している。

しかし、通える範囲に働く場所がない。 利用できる就労移行支援事業所もない。 必要な専門的支援を受けられる機関もない。

そのような状況で、 「一般就労できないのは本人の能力の問題だ」 と考えてしまえば、本質を見失います。

本人に働く力があるかを見るだけでなく、 「その人が選べる働き方が、地域の中に存在しているか」 を見る必要があります。

本人・地域・事業所|3つを同時に見る

ここまでの議論を整理すると、 一般就労への移行を考えるときには、 少なくとも3つの層を見る必要があります。

LAYER 1 本人
希望、能力、健康状態、生活、これまでの経験、 不安、必要な配慮、その時点で大切にしたいこと。
LAYER 2 地域・企業環境
一般就労の場があるか。 必要な合理的配慮を受けられるか。 支援機関や専門職につながれるか。
LAYER 3 事業所・制度構造
報酬体系、生産活動、賃金・工賃、経営条件、 雇用率や助成制度などが、 現場の行動にどのような影響を与えるか。

中間とりまとめ案では、 こうした様々な事情が「相互作用」した結果として、 一般就労への移行が可能な人が 就労継続支援を利用し続けるケースが存在すると整理されています。

一般就労へ移らない理由を、 「本人に意欲がない」 あるいは 「事業所が囲い込んでいる」 のどちらかだけで説明することはできません。

人の選択は、人だけを見ても分からない

本人の選択は、 本人自身の状態だけではなく、 仕事、企業、地域、福祉サービス、制度、経営などとの関係の中で生まれます。

「なぜこの人は一般就労へ移らないのか」と考えるとき、 本人だけを見るのではなく、周囲の環境や制度まで見る必要があります。

一度決めた働き方が、一生続くわけではない

中間とりまとめ案では、 人の就労能力や希望は変化するものだとも整理されています。

成長することがあります。

状態が改善することもあります。 反対に、体調が悪化することもあります。

年齢を重ね、 これまでと同じ働き方が難しくなることもあります。

福祉的就労の中で経験を積み、 「一般企業で働いてみたい」 と考えるようになることもあるでしょう。

逆方向もあります。

一般企業で長く働いてきた人が、 加齢や気力・体力の変化によって一般就労を続けることが難しくなり、 B型などで働くことを希望する場合もあります。

いわゆる障害者雇用の「加齢問題」です。

検討の過程では、 特定の障害種別や年齢に関する記述もありましたが、 中間とりまとめ案では 「個人差がある」ことを踏まえた整理となっています。

「福祉 → 一般就労」の一方向だけではない

今回の中間とりまとめ案では、 精神障害者の復職支援なども含めた 「雇用と福祉の相互往来」について、 今後具体的な対応を検討するとしています。

一般就労は「数」だけでなく「質」も問われる

福祉から一般就労への移行を考えるなら、 移行先である一般就労のあり方も重要です。

障害者雇用率を達成している。

一般就労へ移行した人数が増えている。

それだけで十分とはいえません。

  • 本人が能力を発揮できているか
  • 仕事内容と本人の特性が合っているか
  • 必要な教育や訓練を受けられるか
  • 必要な配慮を受けながら働き続けられるか
  • 適切な評価や処遇を受けられるか
  • 安定した雇用につながっているか

今回の中間とりまとめ案でも、 障害者雇用の「質」の重要性が示されています。

このテーマについては、 雇用福祉横断検討会だけではなく、 労働政策審議会障害者雇用分科会などでも 別途検討が進められています。

一般就労へ移った人数だけを見るのではなく、 「どこで働くか」と同時に 「どのように働けるのか」を見る必要があります。

これから何が検討されるのか

今回示されたのは、あくまで中間とりまとめ案です。

A型やB型の制度が変更されたわけではありません。

A型が雇用率制度から外れることも決まっていません。

助成金や報奨金の扱いが変更されたわけでもありません。

今後は、 今回整理された基本的な考え方を土台として、 より具体的な制度設計が議論されていくことになります。

  • 就労に関するアセスメント機能をどうするのか
  • 福祉として就労機会を提供する機能をどう位置づけるのか
  • 一般就労への移行支援をどう強化するのか
  • 企業と福祉の連携をどう進めるのか
  • 障害者就業・生活支援センターなどの役割をどう整理するのか
  • 雇用と福祉をどう行き来できるようにするのか
  • A型と障害者雇用促進制度の関係をどう整理するのか
今後の記事で区別したい3つ

① 国が決定したこと

② 中間とりまとめなどで方向性として整理されたこと

③ 検討会の構成員などから出されている個別意見

今後具体的な制度案が出てきたときも、 この3つを混同しないことが重要です。

まとめ|「一般就労できるか」を本人だけの問題にしない

今回の議論には、 「一般就労が可能か」という問いがあります。

しかし、その問いを本人だけに向けると、 大切なものが抜け落ちます。

本人にはどのような力があるのか。 何を望んでいるのか。

それだけではありません。

どのような仕事なら力を発揮できるのか。

どのような配慮があれば働けるのか。

その地域に仕事はあるのか。

支援機関はあるのか。

福祉事業所には、 どのような制度上・経営上の条件が課されているのか。

人と環境、制度を一緒に見る必要があります。

福祉教育ラボの視点

「どこに振り分けるか」ではなく、「選び直せるか」

人は変わります。

働く力も変わります。 健康状態も変わります。 生活も変わります。 希望も変わります。

だから、一度、 「一般就労の人」 「A型の人」 「B型の人」 と分類して、それを固定するのではなく、 その時々の本人に合った働き方を考え直せることが大切なのではないでしょうか。

必要なら、福祉から一般就労へ進むことができる。

必要なら、一般就労から福祉の支援につながることができる。

そして状況が変われば、 また次の選択ができる。

支援とは、 本人を制度のどこかに「正しく配置する」ことではありません。

選択肢を知る。 経験する。 自分自身のことを知る。 必要な支援を考える。 本人が選ぶ。

そして、選び直せる。

今回の「雇用と福祉」の議論で問われているのは、 二つの制度の境界線をどこに引くかだけではないのだと思います。

その境界を、 人が必要に応じて行き来できる仕組みにできるのか。

福祉教育ラボでは今後の議論についても、 「何が決まったのか」 「何が方向性として示されたのか」 「何がまだ議論の途中なのか」 を分けながら追っていきます。

この記事とつながる「ふくしのことば」

今回の障害者就労の議論を、 制度だけでなく本人の意思や支援のあり方から考えるために、 関連することばをまとめました。

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一次資料・参考資料

情報確認:2026年9月11日。 厚生労働省の開催一覧で確認できる最新回は、 2026年9月7日の第6回「障害者就労に係る雇用福祉横断検討会」です。 確認時点では、第6回の議事録は掲載されていません。 本記事で紹介したA型の雇用率算定や助成制度等に関する個別案の一部は、 参考資料2に掲載された構成員の意見であり、 政府が採用・決定した施策を示すものではありません。