厚労省、介護報酬改定の検証調査を再度要請 期限後も回答可能、2027年度改定の基礎資料に

【2026年11月2日 更新】この記事は、2026年8月10日の介護保険最新情報Vol.1534(調査協力の2回目の依頼)時点の記録です。その後、8月26日に3回目の協力依頼(Vol.1538)が出され、10月26日の第33回介護報酬改定検証・研究委員会と10月28日の第272回社会保障審議会介護給付費分科会で、令和8年度調査の結果の速報値(案)が示されました。全体の調査結果は「最終版において報告する」とされています。分科会の議論は「第272回分科会の3論点」で整理しています。

速報

厚生労働省は2026年8月10日、 「令和6年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和8年度調査)」について、 介護保険最新情報Vol.1534を発出しました。

自治体や介護関係団体を通じて、 介護保険施設・事業所への調査協力を改めて要請しています。 6月25日に一度協力依頼が出されており、今回は2回目の周知となります。

今回のポイント
期限後も回答可能 調査ごとに提出期限は異なりますが、期限を過ぎた場合でも引き続き提出できます。
対象事業所へ再周知 都道府県・市区町村・介護関係団体を通じて、対象施設・事業所への再周知が求められています。
2027年度改定の基礎資料 調査結果は令和9年度介護報酬改定の検討に活用されます。
報酬改定が決まったわけではない 今回はあくまで改定効果の検証と、今後の検討に向けたデータ収集の段階です。

提出期限を過ぎても回答できます

厚生労働省は、調査ごとに提出期限は異なるものの、 提出期限を過ぎた場合でも引き続き提出することが可能であるとしています。

都道府県、市区町村、介護保険関係団体には、 管内または会員の対象施設・事業所に対し、改めて調査への協力を周知するよう求めています。

未回答の事業所は、もう一度確認を

調査票を受け取っているにもかかわらず、まだ回答していない場合は、 提出期限を過ぎていることだけを理由に提出を諦める必要はありません。

自事業所が対象となっている調査の種類、回答方法、現在の提出状況を改めて確認してください。

すべての施設・事業所が同じ調査の対象ではありません

令和8年度には複数の調査研究事業が実施されており、 調査ごとに対象となる施設・事業所や回答期限が異なります。

このうち、 「高齢者施設等と医療機関の連携体制及び協定締結医療機関との連携状況等にかかる調査研究事業」 については、無作為抽出によって対象施設が選定されています。

対象となった施設には、2026年6月30日以降に調査票が郵送されています。 この医療機関連携に関する調査については、現時点で調査票が届いていない施設・事業所は対象外です。

「すべての介護事業所が回答しなければならない」という意味ではありません

調査ごとに対象範囲が設定されています。 まずは、自事業所に調査票や調査依頼が届いているか、どの調査の対象となっているかを確認することが必要です。

なぜ、この調査が行われているのか

今回の調査は、令和6年度介護報酬改定によって、 介護現場やサービス提供体制にどのような変化が生じたのかを検証するとともに、 今後さらに検討が必要な事項について調査研究するために行われています。

令和6年度
介護報酬改定
→
現場への影響を
調査・検証
→
調査結果を
分析
→
令和9年度改定の
基礎資料へ

集められた調査結果は、 令和9年度介護報酬改定の検討のための基礎資料として活用される予定です。

今回の通知で報酬や加算が決まったわけではありません

「調査」と「制度決定」は分けて確認する必要があります

今回の通知は、次回の介護報酬改定に向けた 効果検証・調査研究のためのデータ収集に関するものです。

新しい加算や減算、報酬単位、人員基準などが決定したものではありません。

今後、調査結果が整理・分析され、 介護報酬改定検証・研究委員会や社会保障審議会介護給付費分科会などで、 次期改定に向けた検討が進められていくことになります。

対象となった施設・事業所が確認したいこと

  • 自事業所に調査票や調査依頼が届いているか
  • どの調査研究事業の対象になっているか
  • その調査の提出期限を確認したか
  • すでに回答・提出が完了しているか
  • 未提出の場合、現在も回答可能かを確認したか
  • 回答に必要な実績値や資料を準備できるか
  • 法人本部・管理者・事務担当者の間で回答状況を共有しているか

今後の確認点

今後注目したいのは、今回の調査結果がどのように整理され、 令和9年度介護報酬改定の議論へ反映されていくかです。

調査結果の速報値や最終結果、 介護報酬改定検証・研究委員会での分析、 さらに社会保障審議会介護給付費分科会で示される論点を継続して確認していく必要があります。

その後の経過(2026年11月2日追記)

2026年8月26日、厚生労働省は同じ調査について3回目の協力依頼(介護保険最新情報Vol.1538)を出し、提出期限を過ぎた場合も引き続き提出できるとしました。

2026年10月26日の第33回介護報酬改定検証・研究委員会と、10月28日の第272回社会保障審議会介護給付費分科会では、令和8年度調査(2調査)の結果の速報値(案)と調査票の回収率が資料として示されました。 資料では、速報値は今後の介護報酬改定の議論に必要な内容を中心にまとめたもので、全体の調査結果は最終版で報告するとされています。

速報値は報酬・加算の決定ではありません。2027年度介護報酬改定の内容は、引き続き介護給付費分科会で審議されています。

福祉教育ラボの視点

介護報酬改定は、ある日突然、加算や減算が決まるものではありません。

現場の実態調査、改定後の効果検証、関係者からの意見、 審議会での議論などを積み重ねながら、次の制度設計へつながっていきます。

今回の調査は、その過程の一つです。 現場から提出されたデータは、次の介護報酬改定を検討するための基礎資料として活用されます。

単に「回答を求められている調査」として捉えるだけでなく、 現場の実態を今後の制度設計へ届ける機会という視点から考えることも大切です。

一次資料

厚生労働省 「介護保険最新情報Vol.1534 令和6年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和8年度調査)への協力依頼(2回目)について」 公式PDFを確認する
厚生労働省 「介護保険最新情報掲載ページ」 公式ページを確認する
厚生労働省 「介護保険最新情報Vol.1538 令和6年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和8年度調査)への協力依頼(3回目)について」(2026年8月26日) 公式PDFを確認する
厚生労働省 「第272回社会保障審議会介護給付費分科会 資料」(2026年10月28日)資料4〜4-2:令和8年度調査の速報値(案) 公式ページを確認する