介護職の「働きがい」は他産業よりやや高い

最新特別調査から見えた介護の仕事の価値

介護職と他産業の働く意識を比較

公益財団法人介護労働安定センターは、2026年6月29日、令和7年度介護労働実態調査の特別調査結果を公表しました。

今回の調査では、介護の仕事に従事している人と、それ以外の産業で働く人などを対象に、現在の仕事や職場に対する評価、介護労働のイメージ、就業意識などを比較しています。(介護センター)

「働きがい」は介護職がやや上回る

調査では、「今の仕事や職場は働きがいがある」と回答した割合が、介護労働者で44.6%、非介護労働者で41.2%でした。

大きな差ではありませんが、介護労働者の方が3.4ポイント高く、介護の仕事に従事する人が、他産業で働く人よりも現在の仕事に働きがいを感じている傾向が示されました。

一方、「今の仕事や職場は働きやすい」と回答した割合は、介護労働者が45.8%、非介護労働者が53.4%となっています。働きやすさでは、介護労働者の方が7.6ポイント低い結果でした。(介護センター)

介護の仕事が持つ固有の価値

今回の調査では、介護労働者は非介護労働者と比べて、「顧客の役に立つ仕事がしたい」「一つの仕事を長く続けて専門性を高めたい」といった意識が相対的に高いことも示されています。(介護センター)

介護は、利用者の日常生活を直接支え、その人らしい暮らしの継続に関わる仕事です。支援の結果が利用者の表情や生活の変化として見えやすいことは、介護職が仕事の意味や価値を実感する要因の一つと考えられます。

ただし、今回の結果を「介護職はやりがいがあるから、待遇や職場環境に大きな問題はない」と受け止めることはできません。

働きがいを働きやすさにつなげる

働きがいと働きやすさは、どちらか一方があればよいものではありません。

仕事に価値を感じていても、業務負担や勤務体制、賃金、人員配置などの課題が大きければ、長く働き続けることは難しくなります。今回の特別調査でも、介護労働者は働きがいでは他産業をやや上回る一方、働きやすさでは下回るという違いが見られました。

この結果から考えるべきなのは、介護の仕事が持つ価値を、どのように職員の定着や人材確保につなげていくかということです。

利用者を支える仕事の意味を職員同士で共有することに加え、適切な人員配置、相談しやすい職場づくり、公正な評価、人材育成、キャリア形成など、働き続けられる環境を整える必要があります。

介護職が感じている働きがいは、介護分野が持つ大切な強みです。

その強みを個人の意欲だけに委ねるのではなく、働きやすい職場づくりにつなげていくことが、これからの介護現場に求められています。

〈出典〉
公益財団法人介護労働安定センター「令和7年度介護労働実態調査(特別調査) 労働者の意識に関する介護事業と他産業との比較調査」