介護サービス利用者は年間約675万人

最新統計から見える介護現場の現状

介護サービスを利用する人は、いまどのくらいいるのでしょうか。

厚生労働省が公表した「令和6年度 介護給付費等実態統計」によると、令和6年度に介護サービスを利用した年間実受給者数は675万4,000人でした。前年度より約12万人増え、増加傾向が続いています。

数字だけを見ると、「介護が必要な人がどんどん増えている」と感じるかもしれません。しかし、この統計には、現場で知っておきたい大切な見方があります。

「6,800万人利用」ではない

今回の統計では、年間累計受給者数は約6,860万人となっています。

しかし、これは「毎月サービスを利用した人数」を12か月分積み上げた数字です。同じ人が1年間サービスを利用すれば、利用した月ごとに計上されます。

一方、年間実受給者数は、その年に一度でもサービスを利用した実際の人数を表します。

つまり、「年間約675万人」が、今回の統計で示される実際の利用者数です。統計は数字だけを見るのではなく、その定義まで確認することが重要です。

さらに注目したいのは、介護予防サービスの利用者が前年度より4.8%増加し、介護サービス全体の増加率(1.1%)を上回っていることです。要介護状態になってから支援するだけでなく、早い段階から生活を支える取り組みへのニーズも広がっていることがうかがえます。

利用者数の増加は、福祉の課題でもあり可能性でもある

利用者が増える背景には、高齢化だけではなく、独居高齢者の増加や地域で暮らし続ける人の増加、介護予防への意識の高まりなど、さまざまな要因があります。

一方で、利用者が増えれば、介護職員やケアマネジャー、相談員など、支える側の負担も大きくなります。

だからこそ、これから求められるのは、単にサービス量を増やすことではありません。限られた人材の中で、ICTや多職種連携を活用しながら、一人ひとりの生活を支える質をどう維持・向上させるかが重要になります。

数字は社会の変化を教えてくれます。しかし、数字だけでは、その人の暮らしや希望までは見えてきません。

福祉教育ラボでは、制度や統計を知ることを目的とするのではなく、その数字の先にいる「一人ひとりの生活」を考える視点を、これからも大切にしていきたいと思います。