ヤングケアラー支援プラン2026とは|4つの柱・18歳以上・家庭まるごと支援

2026年9月5日更新|2027年度概算要求まで反映

ヤングケアラー支援は、
本人と家族の暮らし、18歳以降、就労まで支える段階へ。

2026年7月23日、こども家庭庁・厚生労働省・文部科学省の連携プロジェクトチームは、 2026~2028年度を対象とする「ヤングケアラー支援プラン」を決定しました。

従来の福祉・介護・医療・教育に「就労」を加え、 早期把握だけでなく、家庭全体、18歳以降、進学・就職まで含めた支援の方向を示しています。 この記事では、2024年の法改正から2026年8月末の最新動向まで、制度の段階を分けて整理します。

この記事で整理すること

決まったことと、これから具体化されることを分けて見ます。

  • 2024年の法改正と2026年支援プランの違い
  • 2026~2028年度の4つの柱
  • 「家庭まるごと支援」と予防的支援の意味
  • 18歳以上への支援と、新たに加わった「就労」
  • 介護・障害福祉・学校で求められる具体的な対応
  • 2027年度概算要求で示された支援体制の拡充
  • 政策が本人の暮らしに届いたかを、どう評価するか

ヤングケアラー支援プランとは?|2026~2028年度の要点

今回のヤングケアラー支援プランは、新しい給付制度を一つ創設する法律ではありません。

2024年の法改正によって法律上の支援対象として明記されたヤングケアラーについて、 福祉・介護・医療・就労・教育の関係機関が、 今後どのように施策と連携を進めるのかを整理した政策文書です。

30秒で整理

決定日 2026年7月23日
対象期間 2026~2028年度
関係分野 福祉・介護・医療・就労・教育
大きな特徴 家庭全体・18歳以降・就労まで支援

制度の段階に注意

このプランだけによって、介護・障害福祉事業所や学校、一般企業に、 新しい人員配置基準、届出、報酬上の加算、雇用義務が全国一律に直ちに追加されたわけではありません。 プランに沿って、既存制度の運用改善や個別事業の具体化が進められます。

2024年に整えられた制度的な土台を、地域の支援現場でどう機能させるのか。 今回のプランは、その実装を進めるための3年間の方向を示したものといえます。

こども家庭庁「ヤングケアラー支援プラン(令和8年7月23日版)」

2024年の法改正と2026年支援プランは何が違う?

ヤングケアラー支援の大きな制度上の転換は、今回の支援プランより前にあります。

2024年6月、子ども・若者育成支援推進法の改正により、 「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」が、 国や地方公共団体、関係機関等が支援に努めるべき対象として法律上明記されました。

2024年

ヤングケアラーを法律上の支援対象として明確に位置づける。

2026年

5分野を横断し、家庭全体・若者期・就労まで含む施策を進める。

18歳以上への支援や家庭全体を支える考え方も、2026年に初めて示されたものではありません。 2024年6月の施行通知ですでに、若者期を切れ目なく支えること、本人が担うケアを外部サービスで代替すること、 家族全体を支える視点が示されていました。

2026年のプランは、法制化後に見えてきた課題を踏まえ、 18歳以降、進学・就職、家庭全体、多機関の情報連携などを、あらためて国の施策として整理しています。

こども家庭庁「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律の一部施行について(ヤングケアラー関係)」

そもそもヤングケアラーとは?|法律上の「過度に」の意味

法律上、ヤングケアラーは 「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」 と位置づけられています。

「過度に」とは、家族への世話によって、子どもであれば遊びや勉強など成長・発達に必要な時間、 若者であれば勉強や就職準備など自立へ向かうための時間が奪われたり、 身体的・精神的な負荷によって社会生活上の困難が生じたりして、負担が重くなっている状態を指します。

日常生活上の世話には、身体的な介護や家事だけでなく、幼いきょうだいの世話、見守りや声かけ、 家族への心理的な配慮、外国語と日本語の通訳なども含まれます。

「家族の手伝いをしている」だけで、一律にヤングケアラーと判断するものではありません。

本人がどう受け止めているかとともに、生活や成長、健康、学習、友人関係、進学・就職に どのような影響が生じているかを個別に見ます。本人に困っている自覚がない場合もあるため、 客観的な状況と本人の受け止めの両方が重要です。

  • 学ぶ時間や十分な睡眠時間を確保できない
  • 友人と過ごすことや、部活動・学校行事への参加が難しい
  • 進学先を家族のケアに合わせて制限している
  • 就職先や勤務地、働き方を自由に選べない
  • ケアに伴う身体的・精神的な負担が重くなっている

過度な状態になる前にも支援する

国の施行通知は、家族の退院が予定され、今後本人のケア負担が重くなると見込まれる場合などには、 すでに「過度な世話」の状態に至っていなくても、予防的に対応する必要があるとしています。

小学6年生6.5%という数字をどう読むか

国が紹介している調査では、「世話をしている家族がいる」と回答した割合は次のとおりです。 4つの数字は同じ年度の一斉調査ではありません。

調査対象調査年度回答割合
小学6年生2021年度6.5%
中学2年生2020年度5.7%
全日制高校2年生2020年度4.1%
大学3年生2021年度6.2%
6.5%

2021年度調査で、小学6年生が「世話をしている家族がいる」と回答した割合

数字の読み方に注意

この割合の全員が、法律上の「過度な世話」を行うヤングケアラーであるという意味ではありません。 また、調査年度が異なるため、4つの年代を単純に比較して増減を論じることもできません。

こども家庭庁「ヤングケアラーのこと」

ことばそのものを整理したい方は、 「ふくしのことば|ヤングケアラー」 でも確認できます。

2026~2028年度|ヤングケアラー支援プランの4つの柱

今回のプランは、大きく4つの柱で整理されています。

1

早期把握・多機関連携

学校、福祉、介護、医療、行政、地域などの接点から気づき、必要な支援へつなげます。

2

家庭まるごと支援

本人だけでなく、ケアを必要とする家族を含めて家庭全体を支えます。

3

支援策の推進

相談、福祉サービス、居場所、レスパイト、心理支援、進学・就労などを進めます。

4

社会的認知度・理解の促進

言葉の周知に加え、子ども・若者の権利や本人の意思と結び付けた理解を進めます。

「気づいた」で終わらない仕組みへ

本人が家庭生活を「当たり前」と捉えていたり、家族への責任感や罪悪感から支援を求めにくかったりするため、 困難が表面化しないことがあります。

気づく
聴く
組織で考える
つなぐ
見守る

本人の声をどう聴くのか。誰に相談し、何を共有するのか。その後、誰が支援を続けるのか。 発見件数だけでなく、その先の支援が動く地域の仕組みが問われます。

「家庭まるごと支援」とは?|本人だけを支えても負担が減らない理由

本人に相談を勧めても、病気や障害、高齢などによってケアを必要としている家族への支援が不足していれば、 本人が担っている介護、家事、見守り、通訳などは残ります。

介護保険
障害福祉
児童福祉
医療
生活困窮支援
家事・通訳・レスパイト

必要に応じて制度やサービスを組み合わせ、本人が担ってきたケアを社会の支援へ置き換えていく。 その結果として、子どもや若者が学ぶ時間、眠る時間、友人と過ごす時間、将来を考える時間を取り戻すことが目標になります。

家庭に支援者が入ることへの抵抗感や、支援を受けることへのためらいがある場合もあります。 本人と家族の価値観や心情を理解し、丁寧な説明と対話を重ねながら信頼関係をつくることが必要です。

「家庭まるごと支援」をさらに考える場合は、 「ふくしのことば|家族支援」、 ケアから離れる時間の意味は 「ふくしのことば|レスパイト」 もつながります。

18歳以上のヤングケアラー支援|なぜ学校卒業後に途切れやすいのか

18歳以上を含む若者期への支援は、今回のプランが重視する課題です。 法律と2024年の施行通知では、おおむね30歳未満を中心とし、 こども・若者期に担ったケアによる困難が続く場合など、状況に応じて40歳未満も対象になり得るとされています。

年齢の範囲とサービスの利用条件は別に確認する

これは、すべての個別制度やサービスを39歳まで同じ条件で利用できるという意味ではありません。 支援プランも、制度や事業によって18歳以上の取扱いが明確でないことを課題に挙げ、運用の整理を進めるとしています。

支援プランが引用する2024年度分の調査では、18歳以上のヤングケアラーに関する相談受付が年間0件だった割合は次のとおりです。

自治体区分相談受付が年間0件だった割合
都道府県50.0%
政令市61.5%
中核市47.0%
特別区52.6%
一般市町村88.5%
88.5%

一般市町村で、18歳以上の相談受付が年間0件だった割合

「相談0件」は、支援ニーズがないことを意味しません。

本人が支援対象だと知らない、窓口が分からない、学校卒業後に把握の接点が減る、 自治体の窓口や実態把握が十分でないなど、複数の可能性があります。

18歳になっても、家族の病気や障害、介護が終わるわけではありません。 進学、就職、一人暮らし、経済的自立など、自分の人生をつくる時期と家族のケアが重なります。 15歳頃から18歳以降の相談先や就労支援を見通してつなぐことも、2024年の通知で求められています。

新たに加わった「就労」|進学だけでなく仕事まで支える

今回、従来の福祉・介護・医療・教育に「就労」が5番目の連携分野として加わりました。 家族のケアは、学校生活だけでなく就職活動、勤務地、勤務時間、雇用形態、就職後の継続就労にも影響します。

就職活動の時間を確保できるか
希望する勤務地を選べるか
勤務時間を選べるか
希望する雇用形態を選べるか
社会経験を積む機会があるか
就職後も働き続けられるか

支援プランでは、ハローワークや地域若者サポートステーションにおける支援事例の収集・展開、 民間企業と連携した体験的就労、社会福祉法人による柔軟な就労などが施策例として示されています。

現時点での位置づけ

支援プランによって、一般企業にヤングケアラー専用の全国一律の雇用義務や専用助成制度が創設されたわけではありません。 現段階では、既存の就労支援機関との連携や支援事例の収集・展開が中心です。

最新動向|2027年度概算要求で支援体制の拡充を提示

こども家庭庁は2026年8月31日、2027年度予算の概算要求を公表しました。 その中で「市町村におけるヤングケアラー支援体制強化事業」を拡充・再編し、 市町村こども家庭支援推進事業の一つとして実施する案を示しています。

概算要求で示された拡充内容

18歳以上 個別相談に対応するコーディネーター配置への加算
ケア負担の軽減 家事派遣・通訳派遣等
相談支援 専門家による相談
既存の取組 コーディネーター・ピアサポート・オンラインサロン等

これは「概算要求」です

2026年9月5日時点では、2027年度の予算要求として示された段階です。 予算の決定や実施要綱の改正を経た施行済みの制度として紹介することはできません。 今後、要求内容が予算案・成立予算・実施要綱にどう反映されるかを確認する必要があります。

それでも、18歳以上の相談対応と、家事・通訳派遣によるケア負担の軽減が予算上の拡充項目として示されたことは、 支援プランを実装する方向を具体的に読み取れる動きです。

こども家庭庁「令和9年度予算概算要求の概要(主な新規・拡充事業)」13~14ページ

介護・障害福祉・学校は何を見るのか

介護・障害福祉|子どもや若者を「家族の介護力」として見ていないか

介護・障害福祉の専門職は、ケアを必要とする家族への支援を通じて、 子どもや若者が担っている役割に気づけることがあります。

アセスメントで具体的に確認したいこと

  • 食事や掃除、洗濯を担っているのは誰か
  • 服薬確認や通院の付き添いを担っているのは誰か
  • 夜間の見守りや声かけを担っているのは誰か
  • 幼いきょうだいの世話や送迎を担っているのは誰か
  • 家族への感情面の支えや通訳を担っているのは誰か
  • その役割が本人の生活、健康、進学・就職にどう影響しているか

国は、介護保険や障害福祉サービス等を検討するとき、子どもを「介護力」とすることを前提にしないよう求めています。 障害・介護分野の各種プランや個別計画を作る際にも、家族の意向としてヤングケアラー本人の声を把握する取組を進めるとしています。

同居家族がいることだけを理由に、生活援助を一律に外す取扱いではありません。

厚生労働省は、利用者にヤングケアラーを含む同居家族がいることだけを理由として、 訪問介護の生活援助を一律に位置づけられないものではないと周知しています。 実際の利用は、家族の疾病や障害、その他のやむを得ない事情などを個別に確認して判断します。

厚生労働省「ヤングケアラーの支援に向けた取組への御協力について」2ページ目

学校|行動だけで判断せず、その背景を見る

学校は、児童生徒等と日常的に接するため、変化に気づける重要な場所です。 遅刻、欠席、眠気、宿題の未提出などは気づきの手がかりになりますが、 それだけでヤングケアラーだと判断することはできません。

心身の不調、いじめ、生活困窮など、別の背景も考えられます。 行動だけを本人の問題として処理せず、生活の中で何が起きているかを丁寧に確認します。 担任一人で抱えず、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー、自治体の支援担当部署と組織的に考えることが必要です。

本人の同意が得られないと、何も相談できないのか

文部科学省は2025年7月、本人の同意が得られず個人情報を伏せる必要がある場合でも、 学校だけで抱え込まず、その時点で把握している個人情報を除く情報をもとに、 ヤングケアラー支援担当部署へ今後の対応を相談する必要があると示しました。

これは、本人の同意を軽視してよいという意味ではありません。 本人の意思とプライバシーを尊重しながら、支援者が匿名で対応方法を相談し、学校内で問題を抱え込まないための考え方です。

文部科学省「ヤングケアラー支援における学校等の役割について」2~3ページ

情報共有と本人の権利を考える場合は、 「ふくしのことば|プライバシー」 もつながります。

支援を地域で実装するための課題

ヤングケアラー・コーディネーターを置けば解決するのか

国は、ヤングケアラー・コーディネーターの配置、ピアサポート、オンラインサロン、 外国語対応通訳の派遣などを通じて、地域の支援体制づくりを財政的に支援しています。

コーディネーターは、多機関をつなぎ、家庭に必要な支援を整理する役割を担います。 一方、介護保険のケアマネジメントや障害福祉サービスの支給決定など、各制度にはそれぞれの判断の仕組みがあります。 2026年の支援プランによって、コーディネーターが他制度の決定を直接変更する権限を得たわけではありません。

つなぐ役割を、各制度の支援決定へ接続できるかが問われます。

本人と家族のニーズを把握した後、介護、障害、児童、医療、生活困窮、教育、就労の各制度が、 どの役割を担うのかを具体化する必要があります。

国の補助制度があっても、地域差は残り得る

自治体の予算と事業選択
担当する人材の確保
18歳以上を受ける窓口
地域の福祉・医療資源
学校卒業後の接点
制度間の情報共有と役割分担

国が補助メニューを設けても、すべての自治体が同じ事業を同じ規模で実施するとは限りません。 2027年度概算要求の内容も、予算成立後に自治体がどのように活用するかまで見ていく必要があります。

こども家庭庁「ヤングケアラー支援体制強化事業」2026年度実施要綱

政策の評価は「窓口を作った数」だけではない

支援プランでは、毎年度1回程度、関係省庁のプロジェクトチームで施策の取組状況を共有し、 フォローアップすることが明記されています。

2026年8月20日の地域支援事業実施要綱改正でも、家族介護支援事業について、 地域の実態把握を行ったうえで事業を計画・実施・評価・改善することが示されました。

厚生労働省「地域支援事業実施要綱の一部改正について」新旧対照表8ページ

福祉教育ラボが継続して確認したい「本人の生活の変化」

  • 本人のケア負担が実際に減ったのか
  • ケアが外部サービスへ置き換えられたのか
  • 眠る時間、学ぶ時間、友人と過ごす時間を取り戻せたのか
  • 進学や就職の選択肢が広がったのか
  • 18歳を迎えても支援が途切れなかったのか
  • 本人が自分の意思を聴いてもらえたと感じられたのか

上の項目は、国が今回一律に定めた公式評価指標ではありません。 福祉教育ラボとして、実装を本人の暮らしから考えるための評価視点です。 配置人数や研修回数などの実施量と、本人の生活の変化の両方を見る必要があります。

ヤングケアラー本人・家族が相談したいとき

「自分はヤングケアラーなのだろうか」と確信してから相談する必要はありません。 家族の世話によって少ししんどい、学校や仕事との両立が難しい、誰かに話を聞いてほしいと感じている段階でも相談できます。

こども家庭庁の相談窓口検索

地域、電話・SNS・対面相談、外国語対応、家事支援、学習・キャリア支援、18歳以上への対応などから窓口を探せます。

相談窓口を探す →

学校に通っている場合は、担任だけでなく、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどに相談する方法もあります。 生活で困っていることを、そのまま伝えるところから始めてかまいません。

ヤングケアラー支援プランについてよくある質問

ヤングケアラー支援プランは法律ですか?

支援プランそのものは法律ではありません。2024年の子ども・若者育成支援推進法改正でヤングケアラーが法律上の支援対象として明記され、 そのうえで2026~2028年度に関係省庁が取り組む施策を整理したものが今回のプランです。

18歳以上もヤングケアラー支援の対象になりますか?

はい。おおむね30歳未満を中心とし、こども・若者期に担ったケアによる困難が続く場合など、状況に応じて40歳未満も対象になり得ます。 ただし、個々の制度やサービスにはそれぞれの利用条件があります。

家族の手伝いをしていればヤングケアラーですか?

手伝いをしていることだけで一律に判断するものではありません。本人の年齢や成長段階に対して責任や負担が重く、 健康、学習、友人関係、進学、就職などにどのような影響が生じているかを個別に見ます。

介護事業所や学校、企業に新しい義務ができたのですか?

今回の支援プランだけによって、全国一律の新しい人員配置基準や雇用義務が直ちに新設されたものではありません。 一方、既存制度の適切な運用、早期把握、情報連携、相談支援を進める方向は明確になっています。

2027年度概算要求の支援は、もう利用できますか?

2026年9月5日時点では予算要求の段階です。18歳以上の相談対応を行うコーディネーター配置への加算や、 家事・通訳派遣等が示されていますが、予算決定と実施要綱の確認が必要です。

この記事とつながる「ふくしのことば」

制度を知るだけでなく、支援の背景にある考え方を確認すると、ヤングケアラー支援をもう一段深く捉えられます。

FUKUSHI EDU LAB

家族を思う気持ちと、自分の人生を選ぶこと

ヤングケアラー支援を考えるとき、家族を大切に思う気持ちまで問題として扱わないことは大切です。 家族だから支えたい、自分にできることをしたいという思いには、その人なりの家族との関係があります。

その一方で、家族を大切に思うことと、学ぶ時間、眠る時間、友人と過ごす時間、進学や仕事の選択肢を失うことは同じではありません。 問われているのは、家族をケアしているかどうかだけではなく、その人が自分自身の人生を選べる状態にあるかということです。

子どもや若者だけに相談を求めても、家庭の中の負担は減りません。 ケアを必要とする家族にも支援が届き、学校、福祉、介護、医療、就労の制度が、家庭の暮らしを中心につながることが必要です。

2027年度概算要求で示された家事派遣や18歳以上への相談体制が、今後どこまで実施に移されるのか。 そして、本人と家族の生活にどのような変化をもたらすのか。制度の公表で終わらせず、その先を見ていきたいと思います。