愛知県、介護分野の賃上げ支援補助金 Bパターンの実績報告受付を開始
愛知県では「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」について、 Aパターン・Bパターンの実績報告を受け付けています。
Aパターンの提出期限は2026年8月31日、 Bパターンは10月31日です。
今回のBパターン実績報告は、 新たな補助金の申請募集ではありません。 すでにBパターンで交付を受けた事業者が、 賃金改善や職場環境改善等の実施状況を愛知県へ報告する手続きです。
愛知県は8月17日、 Aパターン用・Bパターン用の実績報告書「別紙様式3」を差し替えました。
基本情報入力シートの 「3 補助金を申請した事業所に関する情報」で、 「介護保険事業所番号」と「サービス名」を入力しても 「事業所名」が反映されないエラーがあったためです。
8月17日以前に実績報告書をダウンロードしている場合は、 提出前に愛知県公式ページを開き、 最新のExcel様式になっているか確認することをおすすめします。
まず確認したい4点
8月17日に実績報告書が差し替え|旧Excelを使っている方は確認を
愛知県は2026年8月17日、 Aパターン用・Bパターン用の実績報告書を差し替えました。
修正されたのは、 基本情報入力シート 「3 補助金を申請した事業所に関する情報」の部分です。
「介護保険事業所番号」と「サービス名」を入力しても、 「事業所名」が反映されないエラーがあったため、 修正版へ差し替えられています。
AパターンとBパターンの違いを整理
愛知県では、 事業所へ早期に支援を届けるため、 交付申請と補助金交付をA・Bの2つの時期に分けて実施しました。
| 項目 | Aパターン | Bパターン |
|---|---|---|
| 交付申請受付 | 2月16日~2月27日 | 4月6日~4月23日 |
| 補助金交付 | 4月30日 | 6月30日 |
| 実績報告受付 | 6月8日~8月31日 | 8月7日~10月31日 |
| 実績報告様式 | Aパターン専用 | Bパターン専用 |
スマートフォンでは表を左右にスクロールしてご覧いただけます。
Bパターンはどのような事業所が申請していたのか
Bパターンは、 Aパターンとは異なる事情のある事業所等を含めて 4月に第2回申請として受け付けられました。
愛知県が例示している主な対象は次のとおりです。
- 2025年12月のサービス提供分が、 大規模改修や感染症まん延等のやむを得ない事情で 他の平常月より低かった事業所
- 2026年1月~3月に開設した事業所
- 2025年12月の介護サービス等総報酬に、 月遅れ請求や再請求等による過誤調整分がある事業所
- Aパターンでの申請に間に合わなかった事業所等
したがって今回の「Bパターン実績報告」は、 Bパターンとして交付を受けた事業者が対象です。
実績報告はどう提出する?|Excelのまま専用フォームへ
愛知県は、 実績報告書専用の提出フォームから必要事項を入力し、 別紙様式3をExcelファイルのまま提出するよう案内しています。
原則として郵送による受付ではありません。
提出フォームや様式は更新される可能性があります。 福祉教育ラボでは直接フォームURLを固定せず、 愛知県公式ページから最新の案内へ進む方法をおすすめします。
愛知県公式ページを確認する →申請時に「実績報告までに実施する」と誓約した事項を再確認
この補助事業では、 一部の要件について、 交付申請時点ではまだ満たしていなくても 「後で対応する」ことを誓約して申請できる取扱いが設けられていました。
ただし、 誓約した事項は実績報告書の提出までに実施する必要があります。
例えば国・愛知県の資料では、 申請区分等に応じて次のような項目が確認対象になっています。
- 処遇改善加算の算定またはそれに準ずる要件
- ケアプランデータ連携システムへの加入
- 生産性向上推進体制加算Ⅰ・Ⅱの算定
- 課題の見える化
- 業務改善活動の体制構築
- 業務内容の明確化と職員間の適切な役割分担
- 任用要件・賃金体系等の整備
- 職員研修や資質向上に関する取組
実績報告に添付しなくても、根拠資料は2年間保存
厚生労働省のQ&Aでは、 各要件への対応状況について、 全事業所へ一律に根拠資料の添付を求めるものではないとしています。
一方、 各介護サービス事業所等では根拠資料を用意し、 都道府県から提出を求められた場合には速やかに提出できるようにする必要があります。
根拠資料の保存期間は2年間とされています。
提出前に確認したいチェックポイント
以下は愛知県・国の案内をもとに、 福祉教育ラボが実務上の確認事項として整理したものです。
実績報告を送信する前に
- A・Bのどちらで交付申請したか確認した
- 8月17日差替え後の最新Excelを使用している
- 申請時に誓約した要件を確認した
- 誓約した事項を実績報告までに実施している
- 賃金改善・職場環境改善の実施内容を確認した
- 根拠資料を事業所・法人内で整理している
- 変更届が必要な変更が生じていないか確認した
- ExcelをPDF等へ変換せず、指定どおりの形式で準備した
- 提出先が愛知県の実績報告専用フォームであることを確認した
- Aは8月31日、Bは10月31日の期限を確認した
実績報告とは別に「変更届」が必要になる場合もある
愛知県は、 一定の変更があった場合には 「変更に係る届出書(別紙様式4)」を提出するよう案内しています。
例として、次のような場合です。
| 主な変更事由 | 確認したいこと |
|---|---|
| 吸収合併・新設合併等で 計画書の作成単位が変わった | 変更届と変更後の計画書等が必要 |
| 一括申請した事業所の一部が 廃止・休止した | 変更届等が必要。 事業の完了状況によっては返還が生じる場合もある |
| 介護従事者の処遇に関する 就業規則を改訂した | 変更届と改訂概要を確認 |
スマートフォンでは表を左右にスクロールしてご覧いただけます。
この補助事業は、処遇改善加算対象外だった一部サービスも対象
この事業の特徴の一つは、 従来の処遇改善加算の対象となる介護サービスだけでなく、 一部の加算対象外サービスも対象に含まれていることです。
愛知県が対象として掲載しているサービスには、 例えば次のものがあります。
- 訪問看護・介護予防訪問看護
- 訪問リハビリテーション・介護予防訪問リハビリテーション
- 居宅介護支援
- 介護予防支援
- 第一号介護予防支援事業
ただし、サービス種別によって申請要件や交付率の考え方は異なります。
そもそも、この補助金は何のための支援だったのか
国の実施要綱では、 介護分野の人材不足が厳しい状況にあることから、 令和8年度介護報酬改定を待たずに、 人材流出を防ぐ緊急的な対応として 賃上げ・職場環境改善を支援することが目的とされています。
内容は一律の賃上げだけではありません。
- 介護従事者への幅広い賃上げ
- 生産性向上・協働化等に取り組む事業者への上乗せ
- 職場環境改善に取り組む事業者への支援
という複数の構成になっています。
迷ったときは「自事業所の申請内容」と公式窓口を確認
補助金は、 サービス種別、申請した交付率、 申請時の要件充足状況によって確認事項が異なります。
「一般的にはどうか」だけではなく、 実際に提出した計画書と交付内容を確認することが大切です。
様式、提出方法、変更届、最新の問い合わせ先については、 必ず愛知県公式情報を最終確認してください。
愛知県公式情報を見る →補助金は「受け取ったら終わり」ではない
補助金の実績報告は、 事務担当者にとってはExcelを作成して提出する手続きに見えるかもしれません。
しかし、本来確認しているのは、 申請時に掲げた賃金改善や職場環境改善が 実際に現場へ届いたかということでもあります。
賃金を改善する。 業務を見える化する。 役割分担を見直す。 ICTを活用する。 研修の機会をつくる。
こうした取組を 「補助金の要件を満たすためだけの作業」で終わらせず、 職員が働き続けられる現場づくりへどうつなげるか。
実績報告は、 その取組を一度振り返る機会としても捉えられるのではないでしょうか。
一次資料・参考資料
-
愛知県
「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業の実施について」
愛知県公式ページを確認する -
厚生労働省
「令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業の実施について」
国実施要綱を確認する -
厚生労働省
「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業に関するQ&A」
国Q&Aを確認する -
厚生労働省
「介護職員の処遇改善:TOP・制度概要」
処遇改善制度の最新情報を確認する
記事内容は2026年8月18日時点の公表情報に基づいています。


