2026年度最低賃金は全国平均1,177円|物価・生活費・介護現場への影響を分析

福祉ニュース|2026年9月4日時点・答申段階

厚生労働省は2026年9月3日、47都道府県の地方最低賃金審議会が答申した2026年度(令和8年度)の地域別最低賃金を取りまとめました。全国加重平均は1,177円。2025年度の1,121円から56円、率にして約5.0%の引上げです。

ただし、「全国平均1,177円」という数字だけでは、地域で働く人の実態や暮らしやすさまでは分かりません。最高の東京は1,280円、最低の宮崎は1,085円。物価も地域によって異なります。そして福祉・介護分野では、最低賃金の上昇が採用競争や給与体系、公定価格の仕組みにも波及します。

この記事は2026年9月4日時点の情報です。今回の金額は地方最低賃金審議会の「答申額」であり、異議申出の手続きなどを経て都道府県労働局長が決定します。厚生労働省は、2026年10月1日から12月2日までの間に順次発効する予定としています。発効予定日は変更される可能性があります。

最初に結論

  • 2026年度の最低賃金は全国加重平均1,177円。前年比+56円、約+5.0%です。
  • 最高は東京都1,280円、最低は宮崎県1,085円。差は195円で、最低額は最高額の84.8%です。
  • 47都道府県の答申額を単純平均すると約1,125.2円、中央値は1,108円。1,177円以上なのは7都府県だけです。
  • 直近の2026年7月CPIは前年同月比+1.9%。最低賃金の伸び率はこれを上回りますが、「生活がその差だけ豊かになった」とは言えません。
  • 2025年の全産業離職率は13.7%、医療・福祉は14.3%。介護労働実態調査では訪問介護員・介護職員の2職種計離職率は12.4%ですが、人手不足を感じる事業所は65.8%です。
  • 最低賃金と介護離職率は、長期の「水準同士」では強い負の相関に見えますが、年ごとの変化で見ると関係は弱く、最低賃金上昇が離職率低下を起こしたとは判断できません。

2026年度最低賃金、最高は東京1,280円・最低は宮崎1,085円

全国加重平均1,177円前年1,121円
前年比+56円約+5.0%
最高1,280円東京都
最低1,085円宮崎県

2026年度の答申額で最も高いのは東京都の1,280円です。神奈川県1,279円、大阪府1,231円と続きます。最も低いのは宮崎県1,085円で、高知県と沖縄県が1,086円、長崎県が1,087円です。

地域別最低賃金は原則として都道府県単位で決まります。そのため「名古屋市の最低賃金」ではなく、名古屋市で働く人には愛知県の地域別最低賃金が適用されます。

主な都市適用される都府県2026年度答申額
東京都区部東京都1,280円
横浜市・川崎市神奈川県1,279円
大阪市大阪府1,231円
さいたま市埼玉県1,196円
千葉市千葉県1,195円
名古屋市愛知県1,195円
京都市京都府1,180円
神戸市兵庫県1,172円
静岡市静岡県1,154円
福岡市福岡県1,114円
宮崎市宮崎県1,085円

最高額1,280円に対する最低額1,085円の比率は84.8%。前年の83.4%から改善し、厚生労働省によると地域差の縮小は12年連続です。

「全国平均1,177円」は、多くの県の“普通の金額”ではない

ここは、今回の数字を読むうえで重要です。厚生労働省が公表する1,177円は、47都道府県の最低賃金を単純に足して47で割った数字ではありません。各都道府県の適用労働者数を反映した 全国加重平均とは? です。

見方金額・県数
厚生労働省公表の全国加重平均1,177円
47都道府県の単純平均約1,125.2円
中央値1,108円
1,177円以上7都府県
1,177円未満40道府県
福祉教育ラボ試算。厚生労働省の47都道府県答申額を単純集計。

つまり「日本の最低賃金は平均1,177円」と聞いても、多くの地域で1,177円前後になっているわけではありません。1,177円以上なのは東京、神奈川、大阪、埼玉、千葉、愛知、京都の7都府県です。

全国加重平均を100とした指数にすると、東京108.8、神奈川108.7、大阪104.6、愛知101.5、福岡94.6、宮崎92.2となります。

数字の読み方
全国加重平均は日本全体の賃金政策を見るには重要ですが、「典型的な地域」の水準を見る指標ではありません。地域の実態を見るときは、都道府県別金額、中央値、物価水準、そして実際に改定の影響を受ける労働者の割合を分けて見る必要があります。

最低賃金の地域差は、物価の地域差と同じなのか

東京の最低賃金が高い理由として、まず思い浮かぶのが物価です。総務省の最新の「2024年消費者物価地域差指数」では、全国平均を100とした総合物価水準は東京都104.0、神奈川県103.3。最も低いのは群馬県96.2、次いで鹿児島県96.4です。 消費者物価地域差指数とは?

最高と最低の物価水準の差は約1.08倍です。一方、2026年度最低賃金の最高1,280円と最低1,085円の差は約1.18倍あります。

物価の地域差指数は2024年、最低賃金は2026年度の数字です。同一時点の厳密な比較ではありません。また、この総合指数は持家の帰属家賃を含まない指数です。ここでは「地域差の大きさ」を見る参考比較として扱います。

それでも、最低賃金の地域差を物価差だけで説明できないことは分かります。最低賃金法では、地域別最低賃金を決める際に「労働者の生計費」「労働者の賃金」「通常の事業の賃金支払能力」の3要素を考慮するとされています。

最低賃金は約5%上昇。物価と賃金はどう動いているのか

次に、時間の変化として物価を見ます。2026年度の最低賃金は全国加重平均で1,121円から1,177円へ、約5.0%上昇しました。

一方、総務省が2026年8月21日に公表した2026年7月の CPIとは? は、総合で前年同月比1.9%上昇、生鮮食品を除く総合で1.8%上昇、生鮮食品及びエネルギーを除く総合で1.9%上昇でした。2026年7月分からは2025年基準の指数が通常公表されています。

指標直近の変化
2026年度最低賃金・全国加重平均約+5.0%
2026年7月 CPI・総合+1.9%
2026年7月 CPI・生鮮食品を除く総合+1.8%
2026年7月 CPI・生鮮食品及びエネルギーを除く総合+1.9%

足元だけを見れば、最低賃金の上昇率はCPIの前年同月比を上回っています。ただし、ここから「5.0%-1.9%=3.1%だけ生活が豊かになった」とは言えません。

最低賃金はこれから発効する年次の水準で、CPI1.9%は2026年7月の前年同月比です。期間が違います。また、家計ごとに食料、家賃、光熱費、交通費などの構成が違うため、同じCPIでも生活実感は同じではありません。

賃金全体の動きを見るには最低賃金とは別に、厚生労働省の毎月勤労統計などを見る必要があります。最低賃金は「法定の下限」、毎月勤労統計は実際に支払われた賃金の動きで、役割が異なります。

CPIとCTIは別の指標

CPIは「価格がどう変わったか」を見る指標です。一方、 CTIとは? は、単身世帯も含めた消費支出など、家計消費の動きを捉えるための指標です。物価を見る記事ではCPIを中心に使い、消費そのものの動きを見るときにCTIを使います。

では、最低賃金1,177円で生活できるのか

最低賃金を生活水準と照らすとき、単純な物価上昇率だけでは足りません。住居、食料、光熱、水道、通信、交通、衣類、医療、社会参加など、生活を成り立たせる費用を見る必要があります。

その考え方の一つが マーケット・バスケット方式とは? です。専門家などが最低生活に必要な具体的な品目を選び、価格を積み上げて最低生活費を考える方法です。

ただし、現在の日本の地域別最低賃金が「マーケット・バスケットで算定した標準生活費」に直接連動して決められているわけではありません。また、現在の公的統計には、全国共通で使える一つの「標準マーケット・バスケット額」が定められているわけでもありません。

厚生労働省の生活保護基準の検証でも、マーケット・バスケット方式は検証手法の一つとして研究されてきましたが、近年の検討資料では国内外の事例整理が中心で、全国共通の具体的な試算額を制度基準として提示しているわけではありません。

実際の単身世帯は、月にいくら使っているのか

生活費の「現実」を見る参考として、総務省の家計調査があります。2025年の単身世帯は、1か月の消費支出が平均173,042円でした。平均年齢は58.6歳で、名目では前年比2.1%増、実質では1.5%減となり、3年連続の実質減少でした。

ここで重要なのは、家計調査の173,042円は「最低限必要な生活費」ではないという点です。実際の単身世帯が平均して支出した金額であり、若年の最低賃金労働者だけを対象にした数字でもありません。マーケット・バスケット方式の「必要生活費」と、家計調査の「実際の平均支出」は分けて読む必要があります。

最低賃金を月額換算するとどう見えるか

厚生労働省が最低賃金と生活保護を比較する資料で用いている月173.8時間という換算時間を、便宜的に2026年度の最低賃金へ当てはめると、税・社会保険料を差し引く前の月額相当は次のようになります。

地域時給173.8時間で単純換算
全国加重平均1,177円約204,563円
東京1,280円約222,464円
宮崎1,085円約188,573円

しかし、この金額と単身世帯の平均消費支出173,042円を単純に引き算して「最低賃金なら生活できる」と判断することはできません。月額換算は税・社会保険料控除前で、家計調査は実際の消費支出です。勤務時間、年齢、地域、家賃、世帯条件も違います。

「最低賃金で暮らせるか」を考えるには、時給だけでなく、手取りに近い可処分所得と、生活に必要な支出の両側から見る必要があります。

最低賃金と生活保護は、法律上も無関係ではない

最低賃金と生活保護は別の制度ですが、地域別最低賃金を決める際には、労働者の生計費を考慮し、生活保護施策との整合性にも配慮する仕組みがあります。

厚生労働省の2025年度最低賃金改定を反映した比較資料では、18~19歳の単身者をモデルに、生活扶助基準と住宅扶助の合計と、最低賃金を月173.8時間働いた場合の可処分所得相当額を比較しています。最低賃金側では、税・社会保険料を考慮するため0.824という可処分所得比率が使われています。

このモデルで最低賃金側が生活保護水準を上回ることと、「最低賃金で誰もが十分に暮らせること」は同じではありません。家族構成、年齢、住居費、就労時間などで条件は変わります。この論点はそれだけで一本の記事になるため、今回は制度上の接点までに留めます。

最低賃金が上がると、実際に何人の賃金が影響を受けるのか

最低賃金が56円上がっても、すべての労働者の賃金が56円上がるわけではありません。そこで重要になるのが 影響率とは? です。

厚生労働省は影響率を「最低賃金額を改正した後に、改正後の最低賃金額を下回ることとなる労働者割合」と定義しています。

2025年の「最低賃金に関する基礎調査」では、全国加重平均の影響率は27.7%でした。2016年の11.1%から大きく上昇しています。

この27.7%は、事業所規模30人未満(製造業等は100人未満)を主な調査対象とする「最低賃金に関する基礎調査」による数字です。調査対象や母集団が違う統計の影響率とは、同じ数字として混ぜないことが重要です。

2026年度の1,177円に対する同じ定義の影響率は、9月3日の答申額公表時点ではまだ確定していません。そのため、現時点で「今回の改定で何割の人の賃金が直接上がる」とは断定しません。

福祉・介護は、本当に「離職率が高いから人が足りない」のか

最低賃金を福祉・介護の人材確保と結びつけるとき、「介護は離職率が高い」という説明がよく使われます。そこで、まず産業全体を同じ統計で並べます。

産業2025年離職率
全産業13.7%
医療・福祉14.3%
教育・学習支援業15.1%
生活関連サービス業・娯楽業20.1%
サービス業(他に分類されないもの)21.2%
宿泊業・飲食サービス業23.7%

厚生労働省の2025年雇用動向調査では、医療・福祉の離職率14.3%は全産業13.7%より0.6ポイント高いものの、宿泊・飲食などより低い水準です。

なお、「サービス業平均21.2%」とは書けません。「サービス業(他に分類されないもの)」は日本標準産業分類上の一つの大分類であり、宿泊・飲食や生活関連サービスなどとは別カテゴリーだからです。

介護2職種の離職率は12.4%。それでも不足感は65.8%

介護労働安定センターの令和7年度介護労働実態調査では、訪問介護員と介護職員の2職種計の離職率は12.4%でした。職種別では訪問介護員11.6%、介護職員12.7%です。

一方で、従業員が「大いに不足」「不足」「やや不足」と答えた事業所は全体で65.8%。訪問介護員は82.9%、介護職員は69.8%に達します。

ここから見えること
「人が足りない=辞める人が多い」とは限りません。離職だけでなく、新しく入ってくる人の数、今後必要になる人員、地域の労働供給、他産業との採用競争を合わせて見る必要があります。

最低賃金が上がると、介護の離職率は下がるのか

最低賃金と介護職の離職率には相関があるのか。ここは、数字を並べるだけでは注意が必要です。

介護労働実態調査の離職率は、例えば令和7年度調査なら2024年10月1日から2025年9月30日までの離職を捉えます。一方、2025年度最低賃金は原則としてその後の2025年10月以降に発効します。同じ「年度名」をそのまま横に並べると時点がずれます。

そこで福祉教育ラボでは、離職率を観測した期間におおむね適用されていた前年の全国加重平均最低賃金と対応させて参考計算しました。

介護離職率の年度対応させた前年最低賃金介護2職種離職率
2019年度874円(2018年度)15.4%
2020年度901円(2019年度)14.9%
2021年度902円(2020年度)14.3%
2022年度930円(2021年度)14.4%
2023年度961円(2022年度)13.1%
2024年度1,004円(2023年度)12.4%
2025年度1,055円(2024年度)12.4%

この7組について 相関係数とは? を計算すると、水準同士のPearson相関係数は約-0.944でした。一見すると「最低賃金が高くなるほど離職率が下がる」という強い関係に見えます。

しかし、最低賃金は長期的に上昇し、介護離職率は長期的に低下しています。時間の流れを共有する2つの系列は、直接の因果関係がなくても強い相関が出ることがあります。

そこで前年からの変化同士を見ると、最低賃金の前年差と離職率前年差の相関は約+0.202、最低賃金上昇率と離職率前年差では約+0.190となり、関係は大きく弱まります。

この相関分析は参考値です。
観測数は7組と少なく、全国集計値です。処遇改善、景気、コロナ禍、求人倍率、労働条件、年齢構成などの交絡要因を調整していません。また、最低賃金の発効日は都道府県ごとに異なるため、前年値を対応させても完全に時点が一致するわけではありません。

したがって、今回のデータから言えるのは「長期的には最低賃金上昇と介護離職率低下が同時に起きているが、年ごとの変化を見ると直接的な関係は確認できない」というところまでです。

「最低賃金を上げれば介護の離職率が下がる」と結論づけることはできません。

最低賃金上昇が福祉事業者へ与える影響は、最低賃金未満の職員だけではない

1|他産業との採用競争が変わる

仮に介護職員へ時給1,300円を支払っている事業所があり、地域の最低賃金が1,100円から1,160円へ上がったとします。1,300円は最低賃金を上回っているため、その職員について最低賃金法上ただちに賃上げが必要になるわけではありません。

しかし、飲食、小売、物流、宿泊など、同じ地域で人を募集する他産業の時給も最低賃金上昇の影響を受けます。

これまで「介護1,300円/他産業1,100円」だった差が、「介護1,300円/他産業1,200円」になれば、介護の相対的な賃金差は200円から100円へ縮まります。

つまり最低賃金には、最低賃金近辺の職員への直接的な影響だけでなく、地域の求人賃金と採用競争を通じた間接的な影響があります。

2|資格・経験による賃金差が縮まる「賃金圧縮」

もう一つ考えたいのが 賃金圧縮とは? です。

例えば、無資格・未経験者が1,100円、介護福祉士が1,250円だった事業所で、最低賃金への対応から無資格・未経験者を1,200円へ引き上げ、介護福祉士を1,250円に据え置いたとします。

資格・経験による時給差は150円から50円へ縮みます。最低賃金法違反ではありませんが、資格や経験に対する賃金上の評価が相対的に小さくなります。

最低賃金が大きく上昇する局面では、「最低額を超えているか」だけではなく、基本給、資格手当、経験年数、役割、昇給幅を含めた給与表全体を確認する必要があります。賃金圧縮が職員の納得感や定着へどの程度影響するかは別途検証が必要ですが、給与体系上の課題としては見逃せません。

3|福祉には「公定価格」がある

一般企業では、人件費が上がったとき、商品やサービスの価格へ転嫁することが一つの選択肢になります。

一方、介護保険サービスや障害福祉サービスは、介護報酬・障害福祉サービス等報酬という公的な価格体系の影響を強く受けます。

介護報酬・障害福祉サービス等報酬は、定期的には3年単位で改定することを基本としてきました。ただし、2026年度には人材確保や物価・賃金動向への対応を含む改定が実施されており、「必ず3年に1度しか動かない」と単純化することもできません。

それでも、最低賃金は毎年見直され、地域の求人賃金も随時動く一方で、公定価格が必ず同じタイミングで動くわけではありません。

福祉事業者にとっての問いは、「最低賃金を払えるか」だけではなく、地域の労働市場で選ばれる賃金を、公定価格の中で持続して支払えるかという問題になります。

福祉教育ラボの視点|「最低賃金を守る」から「働き続けられる賃金」へ

最低賃金は、法律が定める賃金の下限です。

しかし、人がその地域で暮らしていけるか。仕事として選びたいと思えるか。資格や経験が適切に評価されているか。長く働き続けられるか。こうした問いは、最低賃金を上回っているだけでは答えられません。

2026年度の最低賃金は全国加重平均1,177円まで上昇しました。足元では、その伸び率はCPIの上昇率を上回っています。地域間の最低賃金格差も長期的には縮小しています。

一方で、中央値は1,108円です。「全国平均1,177円」だけでは多くの地域の実像を表せません。物価も住居費も異なります。

そして介護分野では、離職率だけを見れば「突出して高い」とは言い切れない一方、多くの事業所が人材不足を感じています。

だからこそ、最低賃金のニュースを「時給が56円上がった」で終わらせないことが大切です。

最低賃金は、人がどのような生活を送れるのか、仕事の価値をどのように評価するのか、事業者がどのように人材を確保するのか、そして福祉サービスを社会としてどう持続させるのか。それらが交わる数字でもあります。

1,177円という数字の先にある「暮らし」と「働くこと」まで見ること。そこから、福祉人材政策と事業経営を考える必要があります。

用語解説|クリックして確認した言葉

CPI(消費者物価指数)とは?

Consumer Price Indexの略。全国の世帯が購入する財・サービスについて、家計の消費構造を一定にしたとき、その購入費用が価格変化によってどう変わったかを示す指数です。日本では総務省統計局が毎月公表しています。

CTI(消費動向指数)とは?

Consumption Trend Indexの略。家計調査を補完し、単身世帯を含む消費支出や日本全体の家計消費の動きを捉えるための指標です。CPIが「価格」、CTIが「消費の動き」を見る点が大きな違いです。

全国加重平均とは?

47都道府県の最低賃金を単純平均するのではなく、各地域の適用労働者数を重みとして反映して算出する平均です。そのため、適用労働者の多い大都市圏の最低賃金が全国平均へより強く反映されます。

消費者物価地域差指数とは?

全国平均の物価水準を100として、都道府県や都市の物価水準が全国より高いか低いかを比較する指数です。「同じ地域の物価が前年より何%上がったか」を見るCPIとは役割が違います。

マーケット・バスケット方式とは?

最低生活に必要と考える食料、衣類、家具、住居などの具体的な品目を選び、それぞれの価格を積み上げて必要生活費を算出する考え方です。現在の日本の地域別最低賃金が、この方式だけで機械的に決められているわけではありません。

影響率とは?

最低賃金を改定した後、改定後の最低賃金額を下回ることになる労働者の割合です。最低賃金引上げがどの程度の労働者へ直接影響する可能性があるかを見る指標です。

相関係数(Pearsonのr)とは?

2つの数値がどの程度、直線的に一緒に動いているかを-1から+1で示す指標です。+1に近いほど同方向、-1に近いほど反対方向、0に近いほど直線的な関係が弱いことを示します。相関が強くても、片方がもう片方の原因であることを意味しません。

賃金圧縮とは?

最低層の賃金が引き上げられる一方、資格者・経験者・リーダー層などの賃金が同程度には上がらず、職員間の賃金差が小さくなる状態を指します。最低賃金上昇局面では、最低額だけでなく給与体系全体を確認する必要があります。

主な一次資料・公的資料

  1. 厚生労働省|全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました(2026年9月3日)
  2. 厚生労働省|令和8年度 地域別最低賃金 答申状況
  3. 総務省統計局|2025年基準 消費者物価指数 2026年7月分
  4. 総務省統計局|小売物価統計調査(構造編)2024年結果
  5. 総務省統計局|家計調査 2025年平均結果の概要
  6. 厚生労働省|地域別最低賃金額、未満率及び影響率
  7. 厚生労働省|生活保護と最低賃金の比較関連資料
  8. 厚生労働省|令和7(2025)年雇用動向調査結果の概況
  9. 介護労働安定センター|令和7年度 介護労働実態調査
  10. 厚生労働省|生活保護基準の新たな検証手法の開発等に関する検討会
  11. 厚生労働省|令和8年度介護報酬改定について
  12. 厚生労働省|令和8年度障害福祉サービス等報酬改定について

福祉教育ラボによる単純平均、中央値、月額換算、相関係数等の試算は、上記一次資料の公表値をもとに計算しています。相関分析は因果関係を示すものではありません。