ケアプランデータ連携は2027年1月「介護WEBサービス」へ|今の介護ソフトで連携できる場合は?

介護DX・制度改正

ケアプランデータ連携は2027年1月「介護WEBサービス」へ|今の介護ソフトで連携できる場合は?

ケアプランデータ連携システムが2027年1月、介護情報基盤の入口となる 「介護保険資格確認等WEBサービス」へ移行する予定です。 ただ、現場では「今使っている介護ソフトですでに連携できている」というケースもあります。 その場合、国のケアプランデータ連携とは何が違うのでしょうか。 厚生労働省の最新資料から、制度と実務を分けて整理します。

2026年8月27日時点の厚生労働省公表資料に基づいています。

QUICK ANSWER

最初に結論|2027年1月に何が変わる?

移行時期

現行のケアプランデータ連携システムは、 2027年1月に介護WEBサービスへ移行予定です。 具体的な日はまだ公表されていません。

登録

現在利用中でも、介護WEBサービスへの登録が済んでいなければ、 継続利用に向けた登録が必要です。

利用料

移行後のケアプランデータ連携機能について、 事業所へ直接の利用料を求めない方針が示されています。

今の介護ソフト

介護ソフト独自の連携機能があっても、 制度上の「ケアプランデータ連携システム利用」と同じ意味とは限りません。

まず確認|自分の事業所は何をすればいい?

厚生労働省は2026年8月26日の介護事業所向け説明会で、 現在の利用状況に応じて移行準備を整理しています。

1

現在利用中+介護WEBサービス登録済み

原則として、改めて介護WEBサービスへ利用登録する必要はありません。

2

現在利用中+介護WEBサービス未登録

2027年1月以降も利用を続けるため、介護WEBサービスへの登録が必要です。

3

現在ケアプラン連携を使っていない

ケアプラン連携の利用とは別に、 介護情報基盤を利用する入口として介護WEBサービスへの登録を確認します。

「介護WEBサービスへの登録」と「ケアプランデータ連携機能を利用すること」は別です

厚労省資料には「ケアプランデータ連携を使わない事業所」という区分も示されています。 そのため、介護WEBサービスへ登録することと、 すべての事業所がケアプランデータ連携機能を使うことを同じ意味で捉えないことが重要です。

「今の介護ソフトですでに連携できる」のは、どういうこと?

「うちはもう利用票や提供票をデータでやり取りできています。それでも国の仕組みが必要なの?」

この疑問は自然なものです。 実際、同じベンダーの介護ソフトを使う事業所同士では、 以前からデータ連携できるケースがあります。

厚生労働省の「ケアプランデータ連携標準仕様Q&A」でも、 同一ベンダーの介護ソフトを使用している場合には、 データ連携が可能なケースがあることが示されています。

問題になってきたのは、 異なるベンダーの介護ソフトを使う事業所同士では、 データ形式やシステムの違いによって、そのままでは情報を交換しにくい ことでした。

そこで、異なる介護ソフトでも共通して読み書きできる 「ケアプランデータ連携標準仕様」と、 そのデータを事業所間で安全に送受信する仕組みが整備されてきました。

したがって、「今の介護ソフトでできている」という現場の認識は間違いではありません。 ただし、その機能と国のケアプランデータ連携の制度上の位置づけは、 分けて確認する必要があります。

「介護ソフト」「標準仕様」「連携システム」は同じものではない

ケアプランデータ連携が分かりにくい理由の一つは、 似た言葉がいくつも登場することです。

介護ソフト

ケアプラン作成、利用票・提供票、実績入力、介護報酬請求、 記録など、日常業務を行うためのシステムです。

標準仕様

異なる介護ソフトでも同じデータを読み書きできるようにする 「共通のルール・共通言語」です。

連携システム

標準仕様に沿ったデータを、 居宅介護支援事業所とサービス事業所の間で 安全に送受信するための共通基盤です。

2027年1月以降は、このケアプランデータ連携機能が 「介護WEBサービス」の中へ移行します。

介護ソフトですでに連携できるなら、国の仕組みは使わなくてもいい?

この問いには、「業務上必要か」と「制度上必要か」を分けて考える必要があります。

業務上の話

同じ介護ソフトを利用する事業所同士で、 予定・実績や利用票・提供票などをすでに電子共有できている場合、 日常業務上はデータ連携の目的を一定程度達成しているケースがあります。

制度上の話

介護ソフト独自の連携機能があるだけで、 介護報酬上の「ケアプランデータ連携システムを利用している」 という要件を自動的に満たすとは限りません。

厚生労働省は、国保中央会のケアプランデータ連携システム以外でも、 「同等の機能とセキュリティを有する」と認めたシステムについては、 ケアプランデータ連携システムを活用しているものとみなす仕組みを設けています。

認定対象は公募・審査によって追加される可能性があります。 そのため、介護ソフトにデータ共有機能があるという理由だけで判断せず、 最新の厚労省公表情報やベンダーの正式案内を確認することが重要です。

ポイント: 「介護ソフトで連携できる」 = 「制度上もケアプランデータ連携システムを利用している」 とは限りません。

ケアプランデータ連携システムは「義務」なの?

2026年8月27日時点では、 すべての介護事業所にケアプランデータ連携機能そのものの利用を 一律に義務づける仕組みにはなっていません。

実際、厚労省の2026年8月26日の説明資料でも、 「ケアプランデータ連携を使わない事業所」が想定されています。

ただし、 「全事業所への法的義務があるか」と 「自事業所が算定する介護報酬や加算の要件として必要か」は別の問題 です。

例えば、居宅介護支援費Ⅱでは、 ケアプランデータ連携システム等の利用が算定要件に関係します。 2026年度の介護職員等処遇改善加算でも、 一部の特例要件にケアプランデータ連携の利用が関係しています。

2027年1月移行後の介護報酬上の取扱いは、今後の通知も確認

厚労省は、介護WEBサービスへの移行後の各種介護報酬上の取扱いについて、 別途案内するとしています。 現時点で将来の取扱いを推測して判断するのは避けた方がよいでしょう。

2027年1月から何が変わる?

専用クライアントからWEBサービスへ

現在のケアプランデータ連携システムは、 専用クライアントソフトを使用する仕組みです。 移行後は介護WEBサービス上で利用する形になります。

利用料の直接負担がなくなる

現在は本来、1事業所あたり年額2万1,000円の利用料が設定されています。 2026年度はフリーパスキャンペーンによって無料となっていますが、 介護WEBサービスへの移行後は、 ケアプランデータ連携機能について事業所へ直接の利用料を求めない方針です。

操作性も改善される予定

厚労省は、現在1回に限られているデータダウンロードを 複数回可能にすること、パスワード入力の簡略化、 複数端末での利用、画面操作の改善などを示しています。

将来的には介護ソフトとAPIでつながる

厚労省は、介護ソフトと介護WEBサービスをAPIで連携する仕組みも準備しています。 対応した介護ソフトでは、 職員が別途ブラウザを開かなくても、 普段使っている介護ソフトから介護情報基盤の情報を利用できる方向です。

今使っている介護ソフトで確認しておきたい5つのこと

2027年1月に向けて重要なのは、 「どのメーカーを使っているか」だけではありません。 現在利用している製品やバージョンが、 新しい仕組みにどう対応するのかを確認することです。

厚労省は、介護情報基盤との統合後、 「ケアプランデータ連携標準仕様第4.1版または第5.0版」 に対応した介護ソフトでケアプランデータ連携機能を利用する仕組みを示しています。

介護ソフト会社へ確認したいこと

2027年1月以降のケアプランデータ連携機能に対応予定か

ケアプランデータ連携標準仕様第4.1版または第5.0版に対応するか

介護WEBサービスとのAPI連携に対応する予定か

現在利用している独自の事業所間連携機能は移行後も継続するか

ソフト更新、設定変更、追加費用などが必要になるか

「今もデータ連携できているから大丈夫」と考えるのではなく、 2027年以降にどの経路でデータをやり取りするのかまで確認しておくと安心です。

介護情報基盤・介護WEBサービス・ケアプランデータ連携の違い

今回の変更を理解するには、 一番大きな仕組みである「介護情報基盤」から考えると分かりやすくなります。

介護情報基盤

介護保険証等情報、要介護認定情報、ケアプラン情報、 LIFE情報の一部などを共有・活用するための大きな基盤です。

介護WEBサービス

介護事業所が介護情報基盤へアクセスするための入口となるWEBサービスです。

ケアプランデータ連携

2027年1月から介護WEBサービスに組み込まれる機能の一つです。

システムを入れただけでは、仕事は減らない

介護DXを考えるうえで、厚労省の2026年8月26日資料には とても重要な指摘があります。

ケアプランデータ連携を導入すると、 これまで紙を前提としていた業務手順そのものを変更する必要があり、 導入初期には事務効率が悪化する場合もある と説明しています。

例えば、データ連携を始めても、

  • 念のためFAXも送る
  • 送信後に電話でも確認する
  • 同じ内容を紙でも保存する
  • 誰がシステムを確認するのか決まっていない

という運用が残れば、デジタル化したのに仕事が増えることもあります。

厚労省も、実際の運用上の工夫として、 データを送受信するタイミング、担当者、入力期限、 手順書などを決めることを紹介しています。

必要なのは、単なる「ICT導入」ではなく、 業務フローそのものの再設計です。

データ連携は「相手がいて初めて」価値が生まれる

ケアプランデータ連携には、 一般的な業務ソフトとは少し違う特徴があります。

自分の事業所だけが導入しても、 連携先の事業所が利用していなければ、 電子的なやり取りへ完全には移行できない場合があります。

厚労省の2026年8月26日資料では、 ケアプランデータ連携システムの導入率は 2026年7月末時点で53.1%とされています。

これは一つの事業所のICT導入というより、 居宅介護支援、訪問介護、通所介護、福祉用具などがつながる 「地域の情報連携インフラ」が形成されていく過程とも見ることができます。

「自分の事業所で使えるか」だけではなく、 地域の支援者同士がどうつながるかという視点も重要になります。

福祉教育ラボの視点|データをつなぐ目的は、人に使える時間を取り戻すこと

厚労省が紹介する調査研究では、 紙でケアプランをやり取りしていた場合と比べ、 印刷、郵送、移動などを含む作業時間が 事業所全体で月52.4時間から18.1時間へ減少するという試算があります。

もちろん、これは一定の条件に基づく試算であり、 すべての事業所で同じ効果が出るという意味ではありません。

大切なのは、そこで生まれた時間を何に使うのかだと思います。

利用者の話をもう少し丁寧に聴く。
家族が抱えている迷いを一緒に考える。
サービス担当者同士で支援の方向を話し合う。
モニタリングを単なる確認作業ではなく、 生活の変化を考える時間にする。

データ連携によって減らしたいのは、 FAX、郵送、転記、重複入力といった作業です。

減らしてはいけないのは、 本人との対話や、多職種で支援を考える時間です。

情報が速く届くことと、その人を理解できることは同じではありません。 ケアプランには、本人がどう暮らしたいのか、 何を大切にしているのか、 支援者がどのような合意形成を重ねてきたのかというプロセスがあります。

2027年1月の移行を、 単なるシステムの「引っ越し」で終わらせるのではなく、 「私たちは何のためにデータをつなぐのか」を 現場で考える機会にしていくことが大切ではないでしょうか。

よくある質問

2027年1月の何日に移行しますか?

2026年8月27日時点では具体的な日は公表されていません。 厚労省は「2027年1月予定」としており、 具体的な期日は今後改めて案内するとしています。

現在ケアプランデータ連携を使っている事業所も登録が必要ですか?

介護WEBサービスへすでに登録済みであれば、 原則として再登録は不要です。 未登録の場合は、移行後も利用を継続するために登録が必要です。

今の介護ソフトで利用票・提供票を連携できています。それでも別の仕組みが必要ですか?

介護ソフト独自の連携機能と、 国のケアプランデータ連携は必ずしも同じものではありません。 業務上は現在の機能で足りる場合がありますが、 異なるベンダーとの連携や介護報酬上の要件については、 別に確認する必要があります。

ケアプランデータ連携は全事業所に義務ですか?

2026年8月27日時点で、 すべての介護事業所へ一律に利用を義務づける仕組みではありません。 ただし、居宅介護支援費Ⅱなど、 報酬・加算の要件として利用が関係する場合があります。

2027年以降は利用料がかかりますか?

介護WEBサービスへの移行後は、 ケアプランデータ連携機能について 事業所へ直接の利用料を求めない方針です。 ただし、端末環境やソフト更新、接続支援などに関係する費用まで すべてゼロという意味ではありません。

市町村の介護情報基盤がまだ始まっていなくても利用できますか?

はい。厚労省は、市町村の介護情報基盤利用開始前でも、 ケアプランデータ連携機能を利用できると説明しています。 自治体の開始時期と2027年1月の移行準備は分けて考える必要があります。

参考にした主な一次資料

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