生活保護の追加給付、以前受給していた人も対象?申出が必要な人と期限を整理

まず確認したいこと――「いま受給していない人」も対象になり得る
以前、生活保護を受けていた人は、過去の保護費の追加給付を受けられるのでしょうか。2025年6月27日の最高裁判決を踏まえ、厚生労働省は追加給付を進めています。現在は受給していない人でも、対象となる期間に生活保護を受給していた場合、追加給付の対象になることがあります。
ただし、対象となる期間と支給対象の条件は一律ではありません。また、本人からの「申出」が必要なケースと、原則として手続きの不要なケースがあります。申出期間は2026年8月1日から2027年7月31日までです。まず「いつ・どの自治体で受給したか」を確認することが大切です。
申出受付期間は2026年7月17日に公表されています。判決日・期間の公表日・受付開始日はそれぞれ異なります。
追加給付の対象となるのは、どの時期の受給か
厚生労働省委託の追加給付相談センターによると、基本的には次のように整理されています。
- 2013年8月〜2018年9月の間に生活保護を受給したことがある世帯は対象。
- 2018年10月〜2026年3月の間に受給したことがある世帯については、毎年12月に支給される期末一時扶助費が算定された世帯も対象です。このほか、一定期間の入院・施設入所、障害者加算などの対象加算、未成年者控除(2022年4月以降は20歳未満控除)が算定された場合などが対象になります。控除は障害に関する控除ではありません。
2018年10月以降も、入院・入所や障害者加算がある人だけに限られるわけではありません。期末一時扶助費が算定された受給歴も確認してください。追加給付の対象となる費目・期間、当時の世帯状況などで判断が異なります。

申出が必要な場合・不要な場合
現在も同じ自治体で継続して生活保護を受けている世帯は、現在の受給期間に関する追加給付について、原則として申出不要です。自治体が準備状況に応じて追加給付を進めます。
一方、現在は受給していない世帯で対象となる人は、当時受給していた自治体への申出が必要です。現在受給している人でも、以前に別の自治体で受給していた対象期間の分は、当時の自治体への申出が必要です。同じ自治体でいったん受給が終わり、再び受給している場合も、過去の受給分について申出が必要な場合があります。
たとえば、現在A市で受給し、以前にB市で受給していた場合、A市の現在の受給期間の分は原則として手続不要でも、B市での受給期間の分はB市へ申し出る必要があります。同じ自治体で過去に受給を中断し、その後再び受給を始めた場合も、過去の期間の申出の要否を確認してください。千葉市の案内では、現在の受給期間とは別に過去の受給歴がある世帯を、申出が必要な類型に含めています。自治体によって基準日や扱いが異なるため、当時の自治体の案内を確認してください。

申出先は「当時受給していた自治体」――期限と必要書類
申出期間は2026年8月1日〜2027年7月31日です。申出先は、原則として生活保護を受給していた当時の自治体で、申出者は当時の世帯主です。亡くなった方本人の分は追加給付の対象になりません。単身世帯の方が亡くなった場合も、遺族がその方の分を相続して受け取る制度ではありません。
一方、当時の世帯主が亡くなっていても、生存する当時の世帯員の分が対象となる場合があります。誰でも申し出られるわけではありません。静岡市の案内では、当時一緒に受給していた配偶者、子、父母などの順位を定めています。申出できる人と必要な書類は、当時受給した自治体へ確認してください。
厚生労働省の申出手続案内では、申出書に加え、次の資料を原則として必ず提出する資料としています。
- 申出者の本人確認書類の写し1点(マイナンバーカードは表面のみ、運転免許証など)。
- 当時の全世帯員の戸籍謄本(全部事項証明書)の写し。外国人の場合は全世帯員の住民票の写し。原則として発行から3か月以内のもの。
- 振込先口座の情報が確認できる通帳またはキャッシュカードの写し。
- 追加給付に必要な調査に係る同意書。
現在受給中の場合は、戸籍謄本・住民票に代えて保護受給証明書を使える場合があります。電子申出で存否確認ができ、対象期間を通じて単身世帯だった場合や、申出期間に係る対象者全員が窓口に来所して本人確認できた場合には、戸籍謄本・住民票の提出を省略できることがあります。改姓などで追加資料が必要な場合もあります。自己判断で省かず、申出先の案内を確認してください。
代理人が手続きする場合の委任状(法定代理人は不要)、代理人の本人確認書類、本人との関係を証する書類や、加算等の挙証資料は、必要に応じて提出する資料です。自治体に独自の申出書様式がある場合は、その様式を使ってください。
受付方法は自治体ごとに異なり、郵送、電子申出、窓口などがあります。2027年7月31日は土曜日のため、窓口の最終開庁日や郵送の「必着」「消印有効」の扱いは、当時受給した自治体の公式案内で必ず確認してください。
金額や支給時期は一律ではない
追加給付額は、当時の年齢、世帯人数、地域、受給期間、対象費目・加算などにより異なります。支給時期も自治体の準備状況で異なるため、この記事だけで支給額や入金日を確定することはできません。
具体的な給付の条件や書類に迷った場合は、当時受給していた自治体の担当窓口に確認してください。制度概要については厚生労働省委託の追加給付相談センター(0120-179-445、平日9時〜17時)でも案内されています。手数料の振込やATM操作を求める不審な案内には注意してください。
福祉教育ラボの視点――制度を知ることが、本人の選択肢を広げる
制度上の対象になる可能性があっても、その人に情報が届かず、申出の機会を逃してしまえば、必要な手続にはつながりません。たとえば、当時の自治体から転居している人、複数の自治体で受給していた人、書類の準備や日本語での情報理解に支援が必要な人には、情報の伝え方そのものが大切になります。
相談援助の場面で大切なのは、支援者が「対象です」「対象外です」と早急に断定することではありません。本人の受給歴と希望を確認し、公式案内を一緒に読み、必要な窓口につなぐことです。制度の情報が本人のもとに届くことも、暮らしの可能性を支える実践の一つです。
情報確認日:2026年11月1日。申出方法や必要書類は、手続き時点の自治体の公式案内をご確認ください。
参考にした一次資料
- 厚生労働省:平成25年生活扶助基準改定に関する最高裁判決への対応
- 厚生労働省:最高裁判決を踏まえた保護費の追加給付に係る申出手続について
- 厚生労働省:申出受付期間の報道発表(2026年7月17日)
- 厚生労働省委託:追加給付相談センター
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