介護サービス利用者は年間約675万人(2024年度統計)
【2026年11月2日 更新】この記事は、厚生労働省「令和6(2024)年度 介護給付費等実態統計」(2025年9月30日公表、令和6年5月審査分〜令和7年4月審査分)の数値を読み解いた記録です。2026年9月30日には「令和7(2025)年度」の概況が公表され、年間実受給者数は685万1,600人(前年度比9万7,600人・1.4%増)でした。2025年度の数値は「2025年度統計で見る介護サービス費12.2兆円」、毎月の審査分(月報)の動きは「2026年7月審査分を読み解く」で整理しています。この記事では「年間実受給者数」と「年間累計受給者数」の違いを中心にお読みください。
2024年度の統計から見える介護現場の現状
介護サービスを利用する人は、いまどのくらいいるのでしょうか。
厚生労働省が2025年9月30日に公表した「令和6年度 介護給付費等実態統計」によると、令和6年度(2024年4月〜2025年3月)に介護予防サービスまたは介護サービスを一度でも受給した年間実受給者数は675万4,000人でした。前年度より約12万人(1.8%)増え、増加傾向が続いています。
数字だけを見ると、「介護が必要な人がどんどん増えている」と感じるかもしれません。しかし、この統計には、現場で知っておきたい大切な見方があります。

「6,800万人利用」ではない
今回の統計では、年間累計受給者数は約6,860万人となっています。
しかし、これは「毎月サービスを利用した人数」を12か月分積み上げた数字です。同じ人が1年間サービスを利用すれば、利用した月ごとに計上されます。
一方、年間実受給者数は、4月から翌年3月までの1年間に一度でも介護予防サービスまたは介護サービスを受給した人の数です。同じ人が2回以上受給しても1人として数えます(期間中に被保険者番号が変わった場合は別の受給者として数えるなどの注記があります)。
つまり、「年間約675万人」が、今回の統計で示される実際の利用者数です。統計は数字だけを見るのではなく、その定義まで確認することが重要です。
さらに注目したいのは、介護予防サービス(要支援者向け)の年間実受給者数が前年度より4.8%増加し、介護サービス(要介護者向け)の増加率(1.1%)を上回っていることです。要介護状態になってから支援するだけでなく、早い段階から生活を支える取り組みへのニーズも広がっていることがうかがえます。

利用者数の増加は、福祉の課題でもあり可能性でもある
利用者が増える背景には、高齢化だけではなく、独居高齢者の増加や地域で暮らし続ける人の増加、介護予防への意識の高まりなど、さまざまな要因があります。
一方で、利用者が増えれば、介護職員やケアマネジャー、相談員など、支える側の負担も大きくなります。
だからこそ、これから求められるのは、単にサービス量を増やすことではありません。限られた人材の中で、ICTや多職種連携を活用しながら、一人ひとりの生活を支える質をどう維持・向上させるかが重要になります。
数字は社会の変化を教えてくれます。しかし、数字だけでは、その人の暮らしや希望までは見えてきません。
福祉教育ラボでは、制度や統計を知ることを目的とするのではなく、その数字の先にいる「一人ひとりの生活」を考える視点を、これからも大切にしていきたいと思います。


